乳がん14年生!56歳でステージ2Aの乳がんが発覚した、現在70歳の女性の体験談です。ご家族からお話を伺いました。

基本情報

ステージ ⅡA
告知時の年齢 56歳
現在の年齢 70歳
サブタイプ ルミナールA
Ki-67 15
核グレード 2
組織学的グレード 2
乳がんの種類 浸潤性乳管がん
遺伝性の有無
腫瘍径 2cm台
静脈侵襲 なし
リンパ管侵襲 あり
リンパ節転移 あり
手術の内容 部分切除
乳房再建 しなかった
行った治療 ホルモン療法
放射線治療
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ルミナールAの体験談

食事について実践していること

治療後からは「食べることも治療の一部」と考えるようになりました。

動物性脂肪を控え、野菜・豆・魚を中心とした和食を基本にしています。特に、ブロッコリーやほうれん草など抗酸化作用のある緑黄色野菜を意識して取り入れています。

味噌汁には豆腐やわかめを入れ、発酵食品である味噌や納豆、ヨーグルトも毎日欠かさず食べています。お肉は週に数回に減らし、オリーブオイルで調理するようにしています。

お菓子やお酒も完全にはやめず、「がまんしすぎないバランス」を大切にしています。

食事の時間を家族と笑って過ごすことが、何よりのエネルギー源だと感じています。

※参考:がんに良い食べ物・寛解した人たちが取り組んでいる食事法

運動について実践していること

術後の体力回復のために始めたウォーキングを、今もずっと続けています。毎朝20〜30分ほど近くの公園を歩き、季節の花や空の色を眺めながら深呼吸をするのが日課です。

天気が悪い日は、家の中でストレッチやラジオ体操をして体をほぐしています。無理をせず、少し汗ばむくらいの運動を続けることで、血行が良くなり体も軽くなります。

また、週に1〜2回はヨガや軽い筋トレも取り入れ、姿勢を意識するようになりました。体を動かすことで気持ちが前向きになり、夜もぐっすり眠れます。

「できることを気持ちよく続ける」ことが、私の健康の秘訣だと思っています。

※参考:がんに良い運動・寛解した人たちが取り入れている生活習慣

食事・運動以外で実践していること

食事や運動だけでなく、心のゆとりを保つことを大切にしています。

乳がんを経験してからは、「無理をしない」「がんばりすぎない」を心がけるようになりました。家の中を明るく保ち、好きな音楽を流したり、季節の花を飾ったりして気持ちを整えています。

ときどき友人とお茶をしたり、家族と一緒に笑う時間を持つことが、心の支えになっています。特に孫と過ごす時間は大きなエネルギー源で、どんな日も元気をもらえるようです。

夜はしっかりと眠り、よく笑い、よく食べる。そんな普通の毎日を大切にすることが、再発予防にもつながっていると感じています。

※参考:がんに良い考え方・寛解した人たちが取り組んでいるメンタルケア

同じ乳がん経験者として伝えたいこと

母が乳がんになったのは14年前のことです。あのとき母は、「正直、何がなんだかわからなかった」と言っていました。病名を聞いた瞬間から頭が真っ白になって、説明も覚えていない。それでも、「怖いけど、進むしかない」とつぶやいていたのを覚えています。

治療が始まると、副作用や体の変化に心が追いつかない日も多かったそうです。「元気なふりをしてたけど、夜は眠れないし、そりゃ泣いたわよ」と、あとから話してくれました。

でも母はこうも言いました。「泣くのは悪いことじゃないの。人間なんだから怖くて当然。しんどくて当然よ。

ある日、母が言った言葉が今でも忘れられません。「できない日があっても、それでいいのよ。生きることを諦めなければ、もう十分がんばってるの。」その言葉には、どんな前向きな言葉よりも力がありました。

母は退院後、少しずつ散歩を始め、好きな音楽を聴くようになりました。「たいしたことしてないけど、生きてるって感じがする」って笑っていました。回復って、何かを成し遂げることじゃなくて、“生きる感覚を取り戻すこと”なんだと感じました。

もし今、病気と向き合って不安でいっぱいの方がいるなら、母の言葉を伝えたいです。「つらい日があるのは当たり前。誰だって怖いし、立ち止まることもある。それでも、少しでも前を向こうとする気持ちがあるなら、それで十分えらいのよ。

どうか、自分を責めないでください。周りの人に頼ってもいい。泣いても、怒っても、投げやりになってもいい。それでも、朝が来たらまた一日が始まります。生きることはそれだけで素晴らしいことなんです。

母はいま元気です。あの頃のことを、「つらかったけど、あれがあったから今を大事に思える」と話します。

あなたの未来にも、きっと穏やかな光が差します。だから、今日を生きることをどうかやめないでください。一歩一歩で大丈夫です。ちゃんと前に進めています。