乳がん13年生!62歳でステージ2Aの乳がんが発覚した、現在75歳の女性の体験談です。ご家族からお話を伺いました。
基本情報
| ステージ | ⅡA |
|---|---|
| 告知時の年齢 | 62歳 |
| 現在の年齢 | 75歳 |
| サブタイプ | ルミナールA |
| Ki-67 | 20未満 |
| 核グレード | ー |
| 組織学的グレード | ー |
| 乳がんの種類 | 浸潤性乳管がん |
| 遺伝性の有無 | ー |
| 腫瘍径 | 2cm台 |
| 静脈侵襲 | なし |
| リンパ管侵襲 | なし |
| リンパ節転移 | なし |
| 手術の内容 | 全摘手術 |
| 乳房再建 | した(自家組織・お腹) |
| 行った治療 | ホルモン療法 |
| 関連ページ | ・60代の体験談 ・ルミナールAの体験談 |
食事について実践していること
乳がんの手術後、食生活を見直し、バランスの取れた食事を心がけるようになりました。具体的には以下の通りです。
- 野菜や果物を積極的に摂る(特にブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科の野菜を毎食取り入れる)
- 大豆製品や魚を中心とした和食を基本とする
- 肉類は脂身の少ない部位を選んで適量に抑える
- 加工食品や砂糖の多いお菓子は極力避け、自然な甘みのあるさつまいもや果物で満足感を得る
- 腸内環境を整えるために、ヨーグルトに亜麻仁粉末を混ぜたものを毎日食べる
これらの習慣は再発予防だけでなく、生活習慣病のリスク低下にもつながっていると実感しています。
※参考:がんに良い食べ物・寛解した人たちが取り組んでいる食事法
運動について実践していること
手術後は体を動かすことの大切さを痛感し、無理のない範囲で運動を取り入れています。毎朝30分ほどのウォーキングを日課にして、近所の公園や緑豊かなコースを選び、リフレッシュしながら続けています。
天候が悪い日は自宅で軽いストレッチやスクワットを行い、筋力の維持に努めています。
また、週に1回は地域のシニア向け水中ウォーキングに参加しています。関節に負担をかけずに全身運動ができることを喜んでいます。
運動を続けることで、体力がついただけでなく、気分も明るくなり、同じ趣味を持つ仲間との交流も楽しみの一つになっています。
※参考:がんに良い運動・寛解した人たちが取り入れている生活習慣
食事・運動以外で実践していること
特に重視しているのは心の安定と十分な休息です。毎日30分ほど静かな時間を作り、好きな音楽を聴きながら深呼吸や瞑想をすることで、ストレスを上手に解消しています。
睡眠は7時間以上を目標に、就寝前のスマートフォンやテレビは控え、リラックスできる環境を整えています。
また、月に1回は家族や友人と外出したり、趣味の園芸を楽しんだりすることで、気分転換を図っています。
これらは、免疫力を高め、心身のバランスを保つために欠かせない習慣になっています。何より「楽しみを見つけること」が長く健康でいられる秘訣だと話しています。
※参考:がんに良い考え方・寛解した人たちが取り組んでいるメンタルケア
同じ乳がん経験者として伝えたいこと
このインタビューを読んでくださっているあなたへ。今、とても辛く、不安な気持ちでいっぱいではないでしょうか。
母が62歳で乳がんの告知を受けた時、私たち家族も同じように、未来が真っ暗に感じ、どうしていいかわからない日々を過ごしました。特に母は乳房を失うことへの怖れと哀しみで、何度も涙を流していました。
お腹の組織を使った再建手術も受けた母の体には、思いがけない苦痛や不便もありました。その都度、「なぜ私が」という思いがよぎったと言っていたことも事実です。
しかし、10年以上経った今、母はあの経験をこう語ります。
「あの試練がなかったら、これほどまでに健康や生き方、家族の温かさを見つめ直すことはなかった。病気は確かに嫌だけど、私に『自分を大切に生きること』を教えてくれた先生でもあった」
ですから、今この瞬間、無力感や悲しみに押しつぶされそうになっても、それは当然の感情です。どうかご自身を責めないでください。そして、「強くいなければ」と無理をする必要はまったくありません。弱音を吐いたって、泣いたっていいんです。
ただ、ひとつだけ、お願いがあります。それは一人でこの重みを背負い込まないでほしいということです。信頼できる医師や看護師さん、家族や友人に、ありのままの気持ちを打ち明けてください。
私たち家族が母にできたのは、ただ傍にいること、そしてその気持ちに寄り添うことだけでした。しかし、それだけでも「どれだけ心が軽くなったか計り知れなかった」と母は言います。
治療は長い旅になるかもしれませんが、自分のペースで一歩一歩進めばいいのです。母のように10年後15年後も元気に笑っている先輩患者さんがたくさんいらっしゃるという事実を心の支えにしていただけたらと思います。
今感じているすべての気持ちを受け止めながら、無理せず前に進まれることを、私たち家族一同、心から願っております。
