メリット デメリット
電力の安定供給 初期費用が高い
エネルギーの自給自足 寿命が限られている
電力料金の削減 廃棄コストが発生
環境負荷の低減 効率のロス
ピークシフトの活用 設置スペースが必要
売電収益の増加 充放電回数の制約
エネルギー管理の向上 メンテナンスの必要性
災害時のライフライン確保 天候依存の問題
電力の品質改善 発火リスク
将来の電力需給対策 電力供給の制限

蓄電池のメリット

上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。

電力の安定供給

蓄電池は停電時に電力を供給する非常用電源としての役割を果たします。自然災害や突発的な停電が発生しても、家庭や企業が最低限の電力を確保できるため、安心感を提供します。特に医療機関やインフラ関連の施設では、生命維持装置や重要な機器の運転を継続するために不可欠です。また、スマートグリッドと連携することで、地域全体の電力供給を安定させる一助となる場合もあります。停電リスクが高まる昨今では、電力の安定供給能力がますます注目されています。

エネルギーの自給自足

蓄電池を太陽光発電や風力発電と組み合わせることで、発電した電力を蓄え、自家消費に活用できます。これにより、外部の電力会社に依存せず、自分たちでエネルギーをまかなう「オフグリッド生活」も可能です。特に、電力供給が不安定な地域では、この自給自足の仕組みが大きな利点となります。また、余剰電力を貯めて必要なときに使えるため、エネルギーの無駄を減らし、効率的な運用が実現します。

電力料金の削減

蓄電池を活用することで、電力料金を効果的に削減できます。例えば、夜間の電力料金が安い時間帯に電力を蓄え、昼間やピーク時に使用することでコストを抑えられます。また、電力会社によっては、時間帯別の料金プランを提供している場合もあり、これをうまく活用することでさらなる経済的メリットが期待できます。このような料金削減効果は、特に電力消費が多い家庭や企業にとって大きな利点です。

環境負荷の低減

蓄電池は再生可能エネルギーと組み合わせることで、化石燃料の使用を減らし、環境負荷の低減に寄与します。太陽光や風力で発電した電力を蓄え、夜間や曇りの日でも利用できるため、エネルギーの安定供給を実現します。また、CO₂排出量の削減は地球温暖化対策として重要であり、蓄電池の導入は持続可能な社会の実現に貢献します。

ピークシフトの活用

蓄電池はピークシフトに活用されます。ピークシフトとは、電力需要が高まる時間帯(ピークタイム)を避けてエネルギーを消費することを指します。これにより、電力需要の平準化が図られ、電力供給側の負担が軽減されます。ピークタイムの電力使用量を減らすことで、電力会社の発電設備増設の必要性が低減し、全体的な電力コストの削減にもつながります。

売電収益の増加

余剰電力を効率よく蓄えることで、売電収益を増加させることが可能です。例えば、日中に太陽光発電で余った電力を蓄電池に貯め、電力需要が高まり、価格が上昇するタイミングで売電することで、収益を最大化できます。また、固定価格買取制度(FIT)が終了した後でも、蓄電池を活用することで、自家消費と売電のバランスを最適化できます。

エネルギー管理の向上

蓄電池は、家庭や企業でのエネルギー使用をスマートに管理するツールとしても活用できます。専用のアプリやシステムを利用して、電力の消費状況をリアルタイムでモニタリングし、効率的にエネルギーを使用できます。これにより、無駄なエネルギー使用を削減し、電気代の節約や環境負荷の低減につなげることが可能です。

災害時のライフライン確保

災害時に電力供給が途絶えた場合でも、蓄電池があれば最低限必要な電力を確保できます。冷蔵庫、照明、スマートフォンの充電など、生活に不可欠な家電製品を動かせるため、安心感があります。特に、地震や台風などの自然災害が多い地域では、家庭や事業所に蓄電池を備えることが重要な備えとなります。

電力の品質改善

蓄電池は電力の品質を向上させる役割も果たします。特に、電圧や周波数が不安定な場合でも、蓄電池を通じて安定した電力を供給できるため、精密機器や電化製品の寿命を延ばす効果があります。これにより、家庭だけでなく、産業用途でも蓄電池の価値が高まっています。

将来の電力需給対策

蓄電池は将来の電力需給の不安に備えるソリューションとしても注目されています。再生可能エネルギーの普及に伴い、電力需給が不安定になる可能性が指摘されていますが、蓄電池を活用することで、その需給バランスを調整できます。これにより、持続可能なエネルギー社会の実現をサポートします。

蓄電池のデメリット

上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。

初期費用が高い

蓄電池の購入や設置には多額の費用がかかります。一般家庭向けの蓄電池でも数十万円から数百万円と高額で、商業施設や大規模な工場で使用する場合はさらに高額です。この初期費用が高いことが導入の大きなハードルとなっています。また、蓄電池システムだけでなく、設置工事費や制御装置、インバーターの費用も追加で必要になることが多く、全体のコストがさらに増加します。太陽光発電システムと連携する場合も、太陽光パネルの費用が加算されます。これらの費用は導入後の電気料金の削減や売電収入によって回収することが可能ですが、回収には長い時間がかかるため、費用対効果を十分に検討する必要があります。

寿命が限られている

蓄電池は使用を続けることで徐々に劣化し、寿命が近づくと性能が大幅に低下します。一般的な家庭用蓄電池の寿命は約10年から15年程度とされていますが、使用頻度や充放電の回数、温度などの影響で寿命が短くなる場合があります。特に、リチウムイオン電池などの化学的反応を利用する蓄電池は、充放電を繰り返すたびに容量が減少します。蓄電池の交換は再び高額な費用がかかるため、長期的なコスト計画が重要です。さらに、寿命を延ばすための適切な管理やメンテナンスが必要で、これが追加の手間となります。

廃棄コストが発生

蓄電池は使用後に廃棄処理を行う必要がありますが、これには高額なコストがかかる場合があります。特にリチウムイオン電池や鉛蓄電池は環境に有害な物質を含むため、適切な処理が求められます。廃棄物としての処理が厳格に規制されている国や地域では、リサイクルや廃棄処理に関わる追加の手続きや費用が発生します。また、蓄電池の材料は希少金属を含むことが多く、これらを再利用するためのリサイクルプロセスも高コストです。廃棄時にこれらのコストを考慮していない場合、意図せず高額な支払いをする可能性があります。

効率のロス

蓄電池の充電および放電時にはエネルギーの損失が生じます。この効率のロスは、蓄電池の種類によりますが、一般的には80%から90%程度のエネルギー変換効率が達成されます。しかし、残りの10%から20%のエネルギーは熱として失われます。この損失は電気料金やエネルギーの無駄を意味し、大規模な運用では特に影響が大きくなります。また、放電中に出力する電力が安定しない場合もあり、効率が下がる要因になります。このエネルギー損失を最小限にするためには、高効率の蓄電池を選ぶことが重要ですが、その分初期費用がさらに高くなる可能性があります。

設置スペースが必要

蓄電池を設置するには一定のスペースが必要であり、特に大容量の蓄電池ではそのスペースが大きくなります。一般家庭では蓄電池の設置場所を確保するのが難しい場合があり、収納スペースや屋外設置が必要になります。屋外設置の場合、日光や雨、風などの影響を受けないように保護するための設備が追加で必要となる場合があります。また、マンションや集合住宅では設置スペースの確保がさらに困難で、導入が制限されるケースもあります。これらの設置場所の制約は、蓄電池導入の大きな障壁となることがあります。

充放電回数の制約

蓄電池には充放電可能な回数が設定されており、これを超えると性能が劣化します。リチウムイオン電池の場合、一般的な充放電回数は3000回から5000回程度とされていますが、頻繁に使用する場合は寿命が短くなる可能性があります。また、過放電や過充電が繰り返されるとバッテリー内部が損傷し、性能が低下します。このような充放電の制約は、使用計画や運用に影響を及ぼすため、注意が必要です。例えば、夜間に蓄電し昼間に放電するサイクルを毎日行う場合、想定よりも早く寿命が尽きる可能性があります。

メンテナンスの必要性

蓄電池は長期間使用するためには定期的な点検やメンテナンスが必要です。特に商業用や工業用の大規模な蓄電池システムでは、専門業者による点検が求められる場合があります。蓄電池の温度管理や接続状態の確認、制御装置の正常動作確認など、メンテナンス項目が多岐にわたります。これらの作業にはコストや手間がかかり、メンテナンスを怠ると蓄電池の性能低下や寿命短縮の原因となります。また、メンテナンスの頻度やコストは蓄電池の種類によって異なるため、導入前に十分な調査が必要です。

天候依存の問題

再生可能エネルギーと連携して使用する場合、天候の影響を受けることがあります。例えば、太陽光発電では曇りや雨の日には発電量が大きく減少し、蓄電池への充電が不十分になる可能性があります。同様に、風力発電では風の強さや安定性に依存するため、十分な電力を確保できない場合があります。このような天候依存性は、蓄電池システムの効率的な運用を妨げる要因となり、計画的なエネルギー運用を難しくします。これを補うためには、より大容量の蓄電池や多様なエネルギー源との連携が必要になります。

発火リスク

蓄電池には特定の条件下で発火や爆発のリスクがあります。特にリチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、過充電やショート、衝撃によって内部の化学反応が暴走し、発火する可能性があります。このような事故を防ぐためには、高度な制御技術や安全装置が必要ですが、これもコスト増加の要因となります。また、使用環境の温度が極端に高い場合や低い場合も蓄電池の安全性に影響を与えるため、適切な設置環境の管理が求められます。

電力供給の制限

蓄電池の容量には限りがあり、一度に供給できる電力量も制限されます。そのため、電力消費量が多い家庭や商業施設では、蓄電池のみで全ての電力を賄うことは難しい場合があります。特にピーク時の大量消費に対応するためには、より大容量の蓄電池が必要ですが、コストやスペースの問題が生じます。また、蓄電池の容量不足が頻発すると、効率的な電力運用が難しくなり、追加の設備投資が必要になる可能性があります。この制約は、蓄電池システム導入の設計段階で十分に考慮する必要があります。

みんなの意見

賛成意見 反対意見
太陽光発電などの発電できるものがある場合、太陽の照っている昼間に発電した電力を蓄電池に貯める事で、電気料金の高い日中に使いきれずに余った電気を電力会社に売電できます。

更に地震や津波などの非常時、電気の供給がストップした場合でも貯めた電気を使える事が良い点だと思います。

また、電力会社の送電線から蓄電池に電力を貯める場合は、電気料金の安い夜間の電力を貯めて、日中に使う事ができる事も良い点ではないでしょうか。
蓄電池にも色々あり、安価な物もあるようですが、家庭用蓄電池に関しては高価で、一家に一台の蓄電池を設置する事はできない点が良くないと思います。

また、一般的には蓄電池は太陽光発電とセットで考えて設置する場合が多いと思いますが、その初期費用は高く、太陽光発電パネルのエネルギー効率や使用可能年数などを考えると、初期費用を賄える額の発電と蓄電をするのは難しいです。

今後の蓄電池の改良によって、その費用を抑えられない限りは、普及は難しいのではないでしょうか。
蓄電池とは電気を蓄えておき、いつでも使用できる装置のことです。蓄電池のメリットとしては、一般家庭において、光熱費の節約ができるという点です。

日本においては、夜間の電力消費が少ない時間帯に安くなるように料金設定がされています。夜間に電気を蓄えておいて、昼間に蓄えた電気を使用すれば、高い昼間の時間帯の光熱費はゼロです。

他には、停電時にも使用できるという点です。万が一災害にあって、電気が使用できない状態になったとしても、必要最低限の電力は確保することができます。
まだまだ発展途上であるため、導入コストが非常に高いというデメリットがあります。また、蓄電池内部の電極部分が劣化しやすいので、メンテナンス費用もかかってしまいます。

仮に高い導入費用と高いメンテナンス費用をかけて導入したとします。昼間、夜間の電気料金に差があるとはいっても、さほど大きな料金の差ではありません。

従って、一般家庭の光熱費節約金額で導入費用の元をとるためには何年もかかってしまいます。
乾電池型の二次電池について語りますが、まず第一のメリットはなんといってもゴミが少ない事です。電池というものは捨てるときに少し迷います。

一次電池の場合すぐに切れるというわけでもないけれど、それなりの頻度で使えなくなるわけです。

そうなると捨てるたびに「あれ?これってどうの区分でどうやって捨てるんだっけ?」と悩むわけです。その手間がだいぶ削減されるというのは大変嬉しいですね。

更に常時使うような場面、例えば子供さんの玩具ですとかゲーム機とかですと経済的にも良いです。
蓄電池のデメリットとして、まず充電が面倒くさいです。使えなくなったら新しいのに交換すればいい一次電池と比べて、充電のし忘れや充電自体にかかる時間の長さなどがどうしても面倒に感じてしまいます。

更にやはり総合コストでは勝るのでしょうがそれゆえ一つあたり単価が高いのです。これは部屋中に使う時計などの数を使う用途の場合はかなりの負担になりますし、時計程度なら一次電池でもかなりの時間持ちます。

テレビのリモコンやエアコンのリモコンなど結構な数があるリモコン類でも言えることです。
蓄電池はあらゆる場面での発電の技術開発を支える基礎です。近年、今まで無駄にしていたリソースから電力を生み出す技術が開発されてきています。

例えば多くの人が歩く振動による発電だとか、給湯器の廃熱によるコージェネレーションなどです。これらの技術を発達させるためには、蓄電池が欠かせないでしょう。

なぜなら、蓄電池がなければ、研究者が発電・送電・ニーズまで全て総括的にフォローしなければならず、肝心の発電の技術がボケてしまうからです。

研究者に、発電のみを特出しして研究することを許しているのは、蓄電池の技術があるからで、これは蓄電池の功績の一つだと思います。
蓄電池は、電力系の機器とは、現状ではあまりに相性が悪すぎます。ハイブリッド自動車や電気自動車などは、セルを数百個も直列につなぐという状態で蓄電池を使っています。

子供のころ、乾電池をたくさん直列につなげば家電も動かせるのかと、子供らしい発想をしたものですが、まさかそれが現実になるとは思いませんでした。その無理の結果が、航空機のバッテリ発火といった形で現れています。

現在の蓄電池技術は、ニーズとしては全く妥当で、そこには全く文句がありませんが、一方技術シーズが全くそれに追いついていません。

ですので、現状の技術でまっとうにニーズを満たせる携帯機器に注力するべきで、大電力用は、それに見合った技術開発を待つべきと思います。