賃貸マンションのメリット
上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。
初期費用が低い
賃貸マンションの最大のメリットの一つは、初期費用が比較的低いことです。不動産を購入する場合、頭金、諸費用、不動産取得税など多額の資金が必要です。一方、賃貸では敷金、礼金、仲介手数料が主な費用で、これらの金額は一般的に家賃の数か月分程度に収まります。さらに、物件によっては敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」も存在するため、より低いコストで入居が可能です。この初期費用の低さは、特に転勤や進学などで急に住居が必要になった場合や、長期的な住居の選択を保留したいときに大きなメリットとなります。
引っ越しが容易
賃貸物件では、ライフスタイルや仕事の変化に応じて気軽に引っ越しが可能です。契約期間が満了したり、解約通知を一定期間前に出すことで、新しい住居への移行がスムーズに行えます。持ち家の場合、引っ越すには家を売却するか、賃貸に出すなどの複雑な手続きが必要ですが、賃貸ではそうした手間がありません。また、短期的な転居が必要な場合でも、賃貸は柔軟に対応できるため、転勤族や季節的な滞在を必要とする方にとって理想的な選択です。
修繕費の負担が少ない
賃貸マンションでは、建物の修繕や設備のメンテナンスに関する負担が少ないのが特徴です。例えば、エアコンや給湯器などの設備が故障した場合、通常は大家や管理会社が修理費用を負担します。一方、持ち家ではこうした費用を自己負担する必要があります。また、建物全体の外壁塗装や大規模修繕についても、賃貸では費用を負担する義務がありません。これにより、予期せぬ出費を避けられ、家計の安定が保たれます。
資産価値のリスクがない
賃貸では、不動産市場の変動に伴う資産価値のリスクを負う必要がありません。不動産を購入すると、市場の下落により資産価値が減少するリスクが常につきまといます。特に、経済状況や地域の人気によっては、大きな損失を被る可能性があります。一方、賃貸の場合、家賃を支払うことで住居を利用するだけなので、こうした資産価値の変動に左右されることなく、安定して生活できます。
住環境を試せる
賃貸マンションに住むことで、購入前に地域や住環境を試せるというメリットがあります。例えば、周辺の交通の利便性や騒音の程度、治安の状況などは、実際に住んでみないとわからないことが多いです。また、近隣住民の雰囲気や、物件自体の住み心地を体験してから、将来的に家を購入するかどうかの判断ができます。こうした試用期間的な利用が可能なのは、賃貸ならではの大きな利点です。
契約期間が柔軟
賃貸物件は契約期間が柔軟に設定されていることが多く、短期的な居住が必要な場合にも対応できます。一般的には2年間の契約が標準ですが、マンスリーマンションやウィークリーマンションといった短期間の賃貸契約も存在します。これにより、海外転勤や一時的な勤務地の変更など、限られた期間だけ特定の場所に住む必要がある場合にも便利です。この柔軟性は、購入にはない大きなメリットです。
固定資産税が不要
賃貸では、固定資産税や不動産取得税といった税金を支払う必要がありません。持ち家を所有する場合、土地や建物に対して毎年固定資産税が課されますが、賃貸ではその負担が大家にあるため、入居者には税金の心配がありません。この点は、特に長期的なコストを考慮する際に重要なメリットであり、家計の中で税負担を削減できる大きなポイントです。
多様な物件が選べる
賃貸市場には、新築から築古、広さ、間取り、立地など、さまざまな選択肢が用意されています。そのため、ライフステージや家族構成、予算に応じて最適な物件を選ぶことができます。たとえば、単身者向けのワンルームから、ファミリー向けの広い3LDKのマンションまで、多様なニーズに応じた物件が豊富に揃っています。この多様性は、購入では難しい柔軟な住居選びを可能にします。
管理が簡単
賃貸マンションでは、共用部の清掃や設備の維持管理は通常、管理会社や大家が担当します。たとえば、エントランスやエレベーターの掃除、建物全体のセキュリティ対策など、居住者が直接対応する必要がありません。これにより、忙しい生活を送る人や管理業務に時間を割きたくない人にとって、快適な住環境が提供されます。
経済的負担が分かりやすい
賃貸では、毎月の家賃や共益費が明確に決まっており、資金計画が立てやすいです。特に、購入と異なりローンの金利変動や修繕費用の発生などの不確定要素が少ないため、予算管理が簡単です。また、固定資産税や保険料といった隠れたコストがない点も安心材料です。経済的な透明性があるため、限られた収入の中で確実に計画を立てたい人に適しています。
賃貸マンションのデメリット
上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。
資産にならない
賃貸マンションの家賃は、住むための費用として支払うものであり、最終的に自分の資産にはなりません。持ち家の場合、ローンを完済すれば自分の資産となり、将来的には売却や相続、賃貸収入を得る手段として利用できますが、賃貸では支払った家賃が全て消費されます。このため、特に長期的に同じ物件に住む場合、結果的に持ち家よりも高額な支出となることがあり、経済的な損失感を抱く人も少なくありません。
自由度が制限される
賃貸物件では、改装やリフォームの自由度が制限されることが多いです。例えば、壁に穴を開けて棚を取り付けたり、壁紙を変更するなどのカスタマイズは、大家の許可が必要な場合がほとんどです。また、床材や設備の変更も制約があり、自分好みの住環境を作るのが難しいことがあります。この点で、持ち家に比べると生活空間の自由度が低く、不満を感じる人もいるでしょう。
家賃の値上げリスク
賃貸契約の更新時に、家賃が値上げされるリスクがあります。特に需要が高いエリアや、新築マンションなどでは、相場が上昇するとそれに伴って家賃が上がることがあります。賃貸契約は通常、更新ごとに条件を見直すことができるため、住み続けたい場合でも経済的な負担が増える可能性があります。これは持ち家にはない不安要素であり、賃貸を長期間利用する際の課題となります。
永住に適さない場合がある
賃貸は短期的には便利ですが、長期的に見ると永住には不向きな場合があります。家賃を支払い続けても資産にはならず、家賃の総額が持ち家の購入費用を上回ることもあります。また、年齢が上がるにつれて収入が減少する場合、家賃の支払いが負担になるリスクもあります。こうした点から、老後の住居としては持ち家の方が安定感があると考えられることが多いです。
大家の意向に左右される
賃貸では、契約更新や退去に関して大家の意向に左右される場合があります。例えば、更新を拒否されたり、建物の取り壊しや改築のために立ち退きを求められることがあります。また、ペットの飼育や楽器の演奏など、生活スタイルに制約を設けられることもあります。こうした制約や突然の変更は、安定した生活を求める人にとって大きな不安材料となります。
場所による選択肢の制約
賃貸物件は、希望するエリアや条件に合致するものが限られる場合があります。特に人気エリアや駅近の物件では競争率が高く、希望する条件を全て満たす物件を見つけるのが難しいことがあります。また、家賃相場が高い地域では、予算内で満足のいく住居を確保するのが困難になることもあり、選択肢が制約される要因となります。
将来の住環境の変化
賃貸物件では、自分で住環境をコントロールすることが難しいため、周辺環境の変化に対応できない場合があります。例えば、隣に新しい建物が建ち、日当たりが悪くなったり、周辺の騒音が増加したりすることがあります。また、建物自体が老朽化しても、その修繕や改善が行われるタイミングは大家や管理会社に依存するため、住み続ける上で不便を感じることがあります。
隣人トラブルのリスク
賃貸物件では、隣人や上下階の住民との関係が重要です。不適切な音量のテレビや音楽、夜間の騒音、ゴミ出しのルールを守らない住民など、近隣トラブルが発生することがあります。こうした問題に対して管理会社や大家が迅速に対応してくれない場合、居住環境が大きく損なわれる可能性があります。持ち家よりも住民の入れ替わりが多い賃貸では、このリスクが特に高まります。
長期的なコスト負担
賃貸物件に長期間住むと、家賃の総額が持ち家の購入費用を上回ることがあります。例えば、月々の家賃が10万円の場合、20年間住むと総額で2400万円を支払うことになります。これに加え、毎月の更新料や共益費も発生します。一方、持ち家の場合はローンが完済すれば住居費の負担が軽減されるため、賃貸の長期的なコストは結果的に大きな負担となることがあります。
退去費用が発生する
賃貸物件を退去する際には、敷金の一部返還が少なかったり、クリーニング費用が発生することがあります。特に、長期間住んだ場合や、物件を損耗させたと見なされる場合には、追加の費用を請求されることもあります。また、敷金や礼金の制度がある地域では、退去時の費用負担が入居時の負担以上に感じられることもあります。こうしたコストは、賃貸特有のデメリットといえます。
みんなの意見
賛成意見 | 反対意見 |
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賃貸マンションのメリットは、まず、引っ越しがしやすいということだと思います。 独身ファミリーに関わらず、転職や収入の変化等、状況が変わった時に賃貸ならば、持ち家に比べて初期費用も少なく手続きも楽です。常に新しい物件に住むことも出来ます。 もう一つは経年劣化に伴う、備え付けの家具や建具などの修繕、交換についてです。賃貸なら大家が行ってくれますが、持ち家の場合は、購入費・工事費・交換したものの処分費まで、全て自分で負担しなくてはなりません。 |
まずは自由にリフォームが出来ないという点です。最近は壁に画鋲さえ刺してはいけないところも多いですね。契約上出来ても、退出時には元に戻さなくてはいけません。 次は住宅ローンと違い家賃は資産として残らないということです。持ち家は最終的に自分のものになりますが、家賃は払い続けるだけで消えて行きます。 最後は高齢になったとき、借りにくいという点です。高齢者向けの賃貸物件は、まだまだ数が少ないようです。ただ、この点はこれからの高齢化社会とともに解消されていくのではないかと思っています。 |
賃貸マンションの良いところは、なんといっても「身軽さ」です。住んでみて気に入らなければ、他の物件に引越すことは難しくありません。 分譲でも賃貸でも物件選びは慎重にする人が多いでしょうが、どんなに慎重にしても、実際に住んでみなければその物件の真の姿は見えません。 場合によっては、日々の生活が脅かされるような欠点を、その物件が持っていることもありえるわけです。 特に昨今、集合住宅の近隣トラブルが激増していると聞きます。そんな時代では「問題が起きたら、すぐに引っ越せる」賃貸物件は、身軽であり気軽です。 友人で一人、大変高額な年収がありながら、あえて家を買わない人がいます。彼は引っ越しを繰り返しながら、都内の高級賃貸マンションを渡り歩いています。 「こんどはどこに住もうか」と考えるのが楽しみなのだそうです。賢い不動産ライフといえると思います。 |
言うまでもないことですが、賃貸マンションは自分のものではありません。あくまで仮の住まいです。引越すときには原状回復の責を負っています。 知り合いで、夫婦げんかで壁に穴を開けたり、ドアに大きな傷をつけたりした人がいました。 引越しが決まって、不動産屋さんが確認したとき「これはひどい」と言われて、大変いやな思いをしたそうです。もちろんそれ相当の弁償費用を請求され、その金額に「目玉が飛び出た」と言っていました。 持ち家のような自由は賃貸マンションにはありませんから、常に「仮の住まい」という意識をもたなくてはなりません。その精神的な不安定さが、最大のデメリットだろうと思います。 また、よほどの高級物件でないかぎり、隣人への不安という要素も大きいでしょう。どんな人が隣にいるのか、どんな人が越してきたのかという不安です。 隣人の「民度」を心配しなければいけないところも、賃貸マンションの欠点だと思います。 |
家族の形が変わるにつれて、借り換えができる点が良いと思います。夫婦二人だけの時、子供が小さいとき、子供が大きくなってから、老夫婦だけになった時など、家族は人数と家に求めるものがどんどん変化します。 その点、賃貸はその時のニーズに合わせて引っ越すことも易しいので良いと思います。また、購入には一括で大きな額のお金が要りますが、賃貸はそのようなことはありません。 住宅ローンを組む必要もなく毎年の固定資産税なども支払う必要がないところも良いと思います。 |
持ち家ではないので、多少自由にできないところがあるというのが良くない点です。壁紙を変えたい、リフォームしたいと思っても自分のものではないのでできません。 また、どんなに長くそこに住んで家賃を払い続けても、自分のものになることはありません。結局は買っていたほうが安かったということもあります。 まだ若くて会社に勤めて定期的に十分な収入があるうちは良いですが、年老いて経済的に困ったときに貸してくれるところがないということもあり得るのが良くないと思います。 |
賃貸マンションの良い面は、気軽に引っ越せるところではないでしょうか。 時々耳にする騒音や近隣トラブルなどの当事者になってしまった場合、分譲であれば、なかなか売りに出すという選択をすることは難しいと思いますが、賃貸ならば最終手段として引っ越すことが可能です。 また、隣近所との付き合いを煩わしいと感じている人にとっては、賃貸ならば分譲に比べてドライな付き合いがのぞめる部分が良いのではないかなと思います。 |
いつまで経っても自分のものにはならない面が悪いところだと思います。家賃というのは、端的に言えばお金を捨てているようなものです。よくよく考えてみると、無駄なことをしているなと思えてきます。 分譲マンションなどと比べて、壁などの厚みが薄いので、生活音が聞こえやすいという部分も難点です。気を付けていても、全く音を外に漏らさずに生活するということは出来ないと思います。 それから、自分のものではないので、部屋の使い方に気を付けなければいけない面も不便なところだと思います。 |