平屋のメリット
上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。
バリアフリー性
平屋は、階段がないため、高齢者や小さな子ども、または身体が不自由な人々にとって特に住みやすい住居形式です。階段の上り下りが不要なため、転倒や怪我のリスクが大幅に軽減されます。将来的に介護が必要になった場合や、車椅子での生活を考える場合にも適応しやすい設計です。さらに、家中の動線が1フロアで完結するため、段差をなくす設計にすることでより高いバリアフリー性が実現できます。これにより、快適さと安全性を両立する住環境を提供できます。
生活動線の効率化
平屋では、生活空間が1フロアにまとまるため、キッチンやリビング、寝室、トイレ、浴室などへの移動が短時間で済みます。特に家事を効率化したい場合には最適です。たとえば、洗濯物を運ぶ際や掃除機をかける場合でも、上下階を移動する必要がないため、時間と労力を節約できます。また、生活動線をシンプルに設計することで、家族全員が快適に過ごせる空間を作り出せます。子どもの見守りやペットとの暮らしにも適した配置が可能です。
建築コストの削減
平屋は構造がシンプルであるため、2階建てや3階建てに比べて建築コストを抑えられる場合が多いです。階段や2階部分の床材、手すり、階層ごとの配線や配管などが不要になるため、建築費用を効率よく削減できます。また、基礎工事や屋根工事の設計も簡略化されるため、全体的にコストパフォーマンスが良い住宅といえます。ただし、敷地面積が広い場合や豪華な仕様を求める場合は例外となります。
メンテナンスが容易
平屋は高さが低いため、外部のメンテナンスが非常に簡単です。屋根の点検や修理、外壁の塗装、窓の清掃など、通常は高所作業が必要となる部分でも、手軽にアクセスできます。これにより、メンテナンス費用を節約できるだけでなく、長期的に見て建物を良好な状態で維持しやすくなります。また、自分でDIYを行いたい場合にも、道具や技術の負担が軽減されます。
地震への耐性
平屋は重心が低く、揺れの影響を受けにくい構造であるため、地震が多い地域では特に安心して住むことができます。高層建物と比べて建物自体の倒壊リスクが低く、揺れによる被害も軽減されるため、災害対策として優れています。また、家族全員が同じフロアで生活しているため、災害時の避難行動もスムーズに行えます。これらの特徴により、地震時の安全性を確保しやすい住宅です。
家族間のコミュニケーションが取りやすい
平屋では、家族全員が同じフロアで生活するため、自然と顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが活発になります。たとえば、リビングやダイニングを中心に間取りを設計することで、家族の交流の場を広げることができます。特に子育て中の家庭では、親が子どもの様子を見守りながら家事を進めることができるため、安心感と利便性が向上します。
将来的な改築が容易
平屋は構造がシンプルなため、将来的に間取りを変更したり、増築を行ったりする際に柔軟に対応できます。たとえば、部屋の仕切りを変更して用途を変えることや、新たに部屋を増設することも比較的容易です。生活環境の変化に合わせた住み方ができるため、長く住み続ける家として理想的です。さらに、リフォーム時の工事期間が短縮されやすい点もメリットです。
プライバシーの確保
平屋は、周囲に高い建物がない場合、窓や庭を活用して自然光を取り入れながら、外部からの視線を遮る工夫がしやすいです。外構や植栽のデザインによって、庭を囲うように設計することで、隣人や通行人の目を気にせずに生活することが可能です。また、大きな窓やウッドデッキを設けることで、室内と庭を一体化した開放的な空間を作り出すことができます。
庭とのつながり
平屋は庭と直接つながる設計が容易で、アウトドアスペースを最大限に活用できます。例えば、リビングや寝室から直接庭に出られる窓やデッキを設けることで、バーベキューやガーデニングなどの活動を楽しむことができます。自然を身近に感じられる住環境を作りやすいため、リラックスした生活が可能になります。また、子どもの遊び場やペットの運動スペースとしても庭を活用できます。
断熱効率が良い
平屋は1フロアで完結するため、冷暖房効率が高く、省エネルギーな住まいとなり得ます。特に断熱材や窓の性能を高めることで、外気の影響を受けにくい室内環境を構築できます。また、部屋数がまとまっていることで、冷暖房の範囲を限定しやすく、光熱費の節約につながります。これにより、快適な住環境を維持しながら、エコな生活を実現することが可能です。
平屋のデメリット
上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。
敷地面積が必要
平屋は1フロアにすべての生活空間を配置するため、広い土地が必要になります。特に都市部や住宅密集地では、十分な敷地を確保することが難しく、土地代が高くなる傾向があります。同じ延床面積を2階建て以上で建てれば、必要な土地は半分程度で済むため、コスト面で不利になることがあります。また、広い敷地を確保できたとしても、建物を設計する際に庭や駐車場との兼ね合いを考える必要があり、間取りの自由度が制約される場合もあります。
プライバシーの懸念
平屋は建物の高さが低いため、周囲に高層建物や隣家がある場合、室内が外部から見えやすくなります。特にリビングや寝室の窓が道路や隣家に面している場合、日常生活が見られることへのストレスを感じることがあります。この問題を解消するには、目隠しフェンスや植栽などの外構工事が必要ですが、これには追加の費用がかかります。設計段階で周囲の環境を十分に考慮することが重要です。
防犯上のリスク
平屋は、すべての窓や出入り口が地上に近いため、侵入者にとってアクセスしやすい構造となります。これにより、防犯面でのリスクが高まります。特に周囲が暗い場所や人通りが少ない地域では、鍵や防犯ガラス、防犯カメラなどの対策が不可欠です。防犯対策を施すことである程度リスクを軽減できますが、それに伴うコストが増える点はデメリットです。
採光の問題
平屋は横に広がる構造のため、中央部や奥まった部屋では自然光が届きにくくなることがあります。特に南側に大きな窓を設けても、建物の奥行きがある場合には日中でも照明が必要になることがあります。この問題を解決するには、天窓や中庭を設ける、または間取りを工夫して光を取り入れる設計が求められますが、それには追加の費用が発生します。
外構費用が増える可能性
平屋は敷地を広く利用するため、その分、庭やフェンスなどの外構工事の範囲が広がります。特に周囲の視線を遮るために目隠しフェンスや植栽を設ける場合、費用がかさむ可能性があります。また、広い庭を設計する場合でも、芝生やタイルの敷設、照明などの設備に追加費用が発生します。外構の設計次第では大きなメリットにもなりますが、コスト面での負担を考慮する必要があります。
将来的な増築の制限
平屋は敷地面積が限られている場合、将来的に増築が難しい場合があります。特に建ぺい率や容積率の制約が厳しい地域では、敷地内に増築スペースを確保することが困難です。上下階で増築が可能な2階建て以上の住宅と異なり、横方向にしか拡張できないため、住環境の変化に対応しにくい点があります。そのため、家族構成や生活スタイルの変化を事前に考慮した設計が必要です。
周囲の騒音の影響を受けやすい
平屋は建物の高さが低いため、道路からの騒音や隣家からの生活音が直接届きやすいという特徴があります。特に、道路に面したリビングや寝室では、車の音や通行人の声が気になる場合があります。防音対策として、二重窓や遮音カーテンを導入する方法がありますが、これもコストの増加につながります。また、住宅地の立地や周囲の環境も慎重に検討する必要があります。
天井が低い印象を受けることがある
平屋は建物全体の高さが制約されるため、天井が低く感じられる場合があります。特に小さな部屋が連続する間取りでは、閉塞感を感じることがあるため、開放感を持たせる設計が求められます。天井を高くしたり勾配天井を採用したりする方法がありますが、その場合、施工コストが増える可能性があります。デザインによってはこのデメリットを軽減できますが、事前の検討が重要です。
収納スペースが限られる
平屋は2階建てに比べて延床面積が限られるため、収納スペースの確保が難しい場合があります。特に、ウォークインクローゼットや納戸の設置スペースを十分に確保できないことがあります。これを補うには、収納付きの家具を活用する、またはロフトスペースを設けるといった工夫が必要です。ただし、それにより居住空間が狭くなる場合もあるため、バランスを取った設計が求められます。
風通しが悪くなる可能性
平屋は建物が横に広がる構造のため、間取り次第では風通しが悪くなる場合があります。特に、廊下や部屋が連続している場合、空気が滞留しやすく、室内の温度や湿度が不均一になることがあります。この問題を解決するには、通風を考慮した窓の配置や、中庭を設けて自然換気を促す設計が必要です。これらの工夫には追加のコストがかかる場合がありますが、快適な居住環境を実現するためには重要です。
みんなの意見
賛成意見 | 反対意見 |
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平屋が良い点は、目的の場所へのアクセスがラクな事です。例えばトイレやお風呂、リビングやキッチン、各部屋への移動が非常にスムースで、行き来がしやすいのが最大のメリットだと思います。また高齢になったとき、平屋であれば、全ての必要なものが同じ階にあるので、生活動線が妨げられないため、暮らしの質も落ちません。また、車いす生活になったとき、手すりを付けたり、バリアフリー等の追加工事やリフォームもやりやすくなり便利です。 | 平屋の良くないと思う点は、まず冬の冷え込みがダイレクトに伝わってくることだと思います。床が地表から近い分、冬の放射冷却などで冷え込む朝は、暖房を入れても床からの冷え込みが強いため、家を暖めるのに大変時間がかかってしまうということです。次に、湿度もこもりやすいというのも良くない点です。押入れやクローゼットの奥などにカビが発生しやすく、大切なものをしまう場合には、特に注意が必要になります。湿度の高い日本においては仕方がないのかもしれませんが、平屋ならではの悩みだと思います。 |
狭い土地に家を建てる日本では、二階建ての家がとても多いと思います。平屋は少し珍しいかも知れません。今は核家族が増えてきて、子どもも結婚すると同居することなく、家を出てしまいます。すると家は夫婦二人となってしまうのです。最初は二階建も「少し広い」程度でしょうが、年齢を重ねていくと二階の部屋に色々なものがあるのは生活しにくく感じてきます。一日に何度も二階に行くのは、体力的にも大変だし、危険にもなってきます。その点、平屋家屋なら階段もないので生活しやすいのです。若いうちはともかく、お年寄りの家族なら平屋が住みよいでしょう。 | 平屋の悪い点は、防犯に不安があることです。就寝時に窓を開けて寝るのは、泥棒や不法侵入などの心配があり非常に不用心です。夏はクーラーをかけて閉め切ることが出来ますが、春や秋の中間の季節に、閉め切って寝るのはツライです。また日中窓を開けたりすると、カーテンがあっても外から中を見られやすく、人の視線が気になります。そして洗濯物を干すのが、平屋だと丸見えになることです。壁で仕切られていても、近隣からは良く見えるため、私生活がさらけ出されるようで、非常に気になります。 |
平屋とは2階部分がない家のことでワンフロアで階段がないので足腰が弱っている高齢者や足が不自由な人にとっては住みやすいバリアフリーの住宅ということが出来ます。マイホームというのは基本的に長く住むモノなので老後のことを考えると今はさほど階段で不自由がなくても平屋の方がお勧めと言えます。さらに平屋の方が天井を高く作っている物件が多いので空間を広く感じるといった利点があります。さらに生活同線が短くて済むので過ごしやすく、建築の観念からいっても構造的に強い丈夫な家ということが出来ます。 | 平屋では二階がないので、家が暗くなりやすい傾向にあります。隣と密接している都市部では、一階は昼間でも電気を付けないと生活できないという家も珍しくないのです。家に太陽が入らなければ、洗濯物を干すのも難しいし、何と言っても家の中が寒々としてしまいます。二階があれば、二階に太陽の日が入り、それが一階にも回ってくるのです。平屋ではこれがないので、家が暗くなって、湿っぽくなりやすいと言えます。ただし南や東側にしっかり庭などがあれば、太陽の光は平屋でも充分に家の中に入りますから、問題ないと思います。 |
平屋のいいところは全て同じ階(1階)で生活できることです。若い頃や身体が自由に動くときは気になりませんが、足が悪くなったり、病気になったりして身体の自由が利かなくなった場合、階段を昇ることはとても大変で苦痛です。思い荷物を持って階段を昇るのは健康な時でも大変な場合もあります。また妊娠中の女性や小さな子供、お年寄りなどは階段からの転落事故も少なくありません。平屋で暮らしていると光熱費も2階建て・3階建て住宅に比べて低く抑えられることが多いです。 | 平屋を作る為には2階建ての家よりも広い土地が必要です。部屋数を増やす為には平屋の場合は横に増やすしかないので限られた土地に建てるのなら2階建ての家の方が部屋数が多く取れると言えます。あと家が密集している地域だと平屋は日当たりが悪くなるなる、カーテンを閉めていないとお隣の2階から部屋が丸見えといったことになってしまいます。その他にも大雨で床下から水が浸透したという場合は平屋の場合は部屋の全てが浸透してしまうことになってしまいます。 |
平屋の良い点は、安定感がすぐれていることだと思います。近年稀に見る大型台風など強い雨や風を伴う自然災害に直面した時、二階建てやマンションなどに比べると雨や風の抵抗を受けにくいと思うからです。というのも、九州南部の伝統的な家屋を見ていると平屋が多く、九州が地元の大工さんに伺うと「台風対策なんだ」と教えてくださいました。大型の台風が通る地域の人たちが住む家屋に平屋が選ばれているのは、自然災害から身を守るために適しているからだと思います。 | 土地代が高くなることです。2階建て、3階建てにすると延べ床面積は広くとれるので、小さな土地でも一部屋ごとの面積を大きくしたり、室数を多くすることができますが、平屋は部屋数を多くしたい場合はそれなりの大きさが必要となり、坪単価が高い都市部ではかなりのお金が必要になります。平屋の延床面積と、2階建ての延床面積が同じであったとしても、建設費は平屋の方が高くなってしまいます。限られた予算の中で広さを求める場合、平屋を建設することは厳しくなるのが悪い点です。 |