メリット | デメリット |
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初期費用の削減 | 長期的には割高 |
資金繰りの安定化 | 所有権が得られない |
最新設備の利用 | 解約が難しい |
設備の保守管理が簡単 | 総コストの不透明さ |
コストの固定化 | 利用制限がある場合も |
減価償却の手間を省ける | 使用後の返却が必要 |
導入が迅速 | 資産計上の欠如 |
財務バランスの維持 | 契約内容の硬直性 |
税制上のメリット | 信用調査が必要 |
柔軟な契約内容 | 利用期間の制約 |
リースのメリット
上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。
初期費用の削減
リース契約では、機器や設備の購入に必要な初期費用を大幅に抑えられます。特に高額な機器や大型設備の購入には、多額の資金が必要ですが、リース契約では購入費用の負担をせずに利用を開始できます。これにより、資金が限られている企業や、急速な事業拡大を計画しているスタートアップなどにとって、リースは大きな助けになります。また、初期投資を抑えることで、他の重要な事業活動や投資機会に資金を回すことが可能です。この特性により、リースは多くの業界で広く利用されています。
資金繰りの安定化
リース契約では、リース料を月々または年ごとに定額で支払う形が一般的です。このため、事業のキャッシュフローを計画的に管理しやすくなります。一度に大きな支出を避けることができるため、資金繰りが安定し、経営リスクを低減できます。特に不安定な収益構造を持つ事業では、この定期的な支払いモデルが役立ちます。さらに、リース料が一定であれば、長期的な予算計画にも役立ち、他のコストとのバランスを取りやすくなります。
最新設備の利用
リース契約では、リース期間が終了する際に、最新モデルの設備や機器にアップグレードできることが多いです。これにより、常に最新技術を導入し続けることが可能になります。特に技術革新のスピードが速い業界(IT、医療、製造業など)では、このメリットは非常に重要です。また、最新の設備を使用することで、業務効率や生産性を向上させるだけでなく、競争力を維持または強化することができます。
設備の保守管理が簡単
リース契約には、多くの場合、設備の保守やメンテナンスサービスが含まれています。このため、利用者側が設備の管理や修理の手配に煩わされることが少なくなります。特に、専門的なメンテナンスが必要な設備の場合、リース会社のサポートは大きな価値を持ちます。これにより、設備管理にかかる人件費や時間を削減でき、コア業務に集中することが可能になります。また、定期メンテナンスが確実に行われることで、機器の故障リスクが低下します。
コストの固定化
リース契約では、支払い額が契約期間中に固定されることが一般的です。この特性により、リース料が変動する心配がなく、予算管理がしやすくなります。インフレや為替変動など、外部要因によるコストの上昇を心配する必要がないため、長期的な事業計画を立てる際にも有利です。また、固定コストとして経費に計上することで、利益の把握や経営分析も簡素化されます。
減価償却の手間を省ける
リース契約では、リース会社が設備の所有権を持つため、利用者側は設備を資産として計上する必要がありません。これにより、減価償却費を計算する必要がなくなり、経理業務が簡素化されます。また、会計処理の簡略化により、経理部門の負担を軽減し、他の重要な業務に集中できるようになります。この特性は、特に中小企業やスタートアップにとって魅力的です。
導入が迅速
リース契約は、融資や設備購入に比べて審査が簡単な場合が多く、短期間で設備を導入することが可能です。これにより、急な需要増加や新規事業の立ち上げ時など、スピードが求められる状況で役立ちます。また、設備導入の迅速化は、競争の激しい市場環境での迅速な対応を可能にし、ビジネスチャンスを逃さないための重要な要素となります。
財務バランスの維持
リース契約では、設備が資産として計上されないため、借入金による負債が増加することを避けられます。この特性により、企業の財務諸表が健全に保たれるため、外部からの信用度を維持するのに役立ちます。また、財務バランスが良好であれば、将来の資金調達や投資計画がスムーズに進む可能性が高まります。
税制上のメリット
リース料は多くの場合、全額を経費として処理することができます。このため、法人税や所得税の軽減効果が期待できます。特に利益が多い年度には、リース料を経費として計上することで、節税効果を得られる可能性があります。また、リース契約は税制改正にも柔軟に対応できる点が魅力です。
柔軟な契約内容
リース契約は、企業のニーズに合わせてカスタマイズが可能です。たとえば、利用期間、支払い頻度、サービス内容などを調整することができ、特定の事業計画や業界特有の要求に応じた契約を結ぶことができます。この柔軟性により、リースは多様な業種や用途に適応できる仕組みとなっています。
リースのデメリット
上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。
長期的には割高
リース契約では、月々または年々の支払いが分割されるため、初期費用は抑えられますが、長期間にわたる場合は総支払額が購入費用を上回ることが一般的です。特に、リース期間終了後もその設備を引き続き利用したい場合には、再リース契約や追加費用が発生し、さらにコストが増加します。また、購入した場合には、設備が資産として残るため、長期的な価値を得られる可能性がありますが、リースではそれがありません。結果的に、設備を長期間使用することが前提の企業には不向きな選択肢となる場合があります。
所有権が得られない
リース契約では、設備や機器の所有権はリース会社にあります。そのため、リース期間が終了しても設備が自社のものにはならず、必要に応じて返却しなければなりません。購入した場合には、使用年数が長くなるほどコスト効率が向上する一方で、リースでは常にリース料を払い続ける必要があります。この所有権の欠如は、企業が長期的な利用を計画している設備に対して、リースが適切でない選択肢となる一因です。
解約が難しい
リース契約は、通常、一定期間の使用を前提とした長期契約が多く、中途解約が難しいのが一般的です。もし契約途中で解約を希望する場合、違約金が発生することがあり、その金額は高額になることもあります。例えば、使用期間が短かった場合でも、契約期間に応じた全額のリース料を請求される可能性があります。これにより、事業計画の変更や設備の不要化が発生した場合でも柔軟に対応しにくくなるという欠点があります。
総コストの不透明さ
リース契約は分割払いが基本のため、一見すると負担が軽いように見えますが、全体として支払うコストが不透明になりがちです。契約時に提示される総額は、金利や追加サービス料金を含む場合も多く、それらが割高になるケースがあります。また、リース終了後の返却費用や、再リース時の追加費用などが後から発生する可能性があり、予想外のコストが企業に負担を与えることもあります。
利用制限がある場合も
リース契約には、設備や機器の使用範囲や改造に関して制限が設けられることがあります。たとえば、機器に独自のカスタマイズを施したい場合や特定の用途に利用したい場合、リース会社の許可が必要となることがあります。この制約により、利用の自由度が低下し、業務の効率化や改善に支障をきたす場合があります。特に、柔軟な運用を必要とする企業には不向きです。
使用後の返却が必要
リース契約終了後には、設備を返却する必要があります。この返却には追加費用が発生することがあり、返却の際に機器の状態が良くない場合は、修理費用や損傷に対する賠償金を請求される可能性があります。また、設備を返却する際には、新しい機器の手配や移行作業が必要となり、これが業務の中断や遅延を引き起こすリスクもあります。
資産計上の欠如
リース契約では、設備が自社の資産として計上されないため、財務的な資産価値を持たせることができません。このため、将来的に企業の資産規模を拡大しようとする場合や、資産を担保に融資を受けたい場合には不利となります。また、資産として計上されないことで、減価償却などの税務上の恩恵を受ける機会が失われる場合もあります。
契約内容の硬直性
リース契約は、一度締結すると、利用期間や料金体系の変更が難しい場合があります。例えば、設備の利用が予定よりも早く終了した場合や、逆に長期間使用したい場合、契約条件がそれに対応していないと柔軟な運用が難しくなります。また、契約途中での設備のアップグレードやオプションの追加が制限されることも多く、変化する事業ニーズに対応しづらいという欠点があります。
信用調査が必要
リース契約を結ぶ際には、リース会社による信用調査が行われます。特に新興企業や財務基盤が弱い企業の場合、審査に通過しないことがあるため、リース契約が利用できないリスクがあります。また、信用調査に時間がかかる場合もあり、迅速な設備導入を求める企業にとっては不便です。信用調査の結果次第では、予想以上の保証金や追加条件が課されることもあります。
利用期間の制約
リース契約には利用期間が定められており、期間満了後は再契約や設備返却が必要です。利用期間が短い場合には、必要な業務に十分対応できない可能性があります。一方で、契約期間が長すぎる場合には、予定外の早期返却が難しくなることもあります。この期間の制約は、特に使用期間が不確定な設備や変化の激しい業界では、不便を感じる要因となります。
みんなの意見
賛成意見 | 反対意見 |
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リースの良いところは初期投資がかからないところです。 起業してすぐは手持ち資金が少ないので、車を購入したりコピー機を購入したりしては、すぐに資金がなくなってしまいます。従って毎月の支払いが少ないリースはメリットがあります。 また車など高額なものは購入しても、一括で経費に計上できず減価償却を行いますが、リースは毎月のリース料がそのまま経費として計上できるのもメリットです。 起業でなくても、何台も車が社用で必要な会社も買い取りよりリースが資金の面から有利です。 |
法人の形態はとっているものの、個人経営や家族経営のような会社では、例えば車は中古車を購入して使っても現実的な問題はありません。コピー機や厨房機器なども中古品なら正価品の半値以下で購入できます。 リースは購入すれば資金をかなり使ってしまう場合にはとても有効ですが、購入する側が体裁を気にせず、中古品でもいいという場合は購入したほうが、リースよりメリットがある場合もあります。 数年間リースで支払うお金で、中古品ならば永遠に自分の物になるからです。 |
リース契約だとたいていメンテナンス込みの料金なので、故障などの修理に不必要な出費がかからないということが最大のメリットだと思います。 コピーやファックスなどの複合機をリースで契約していれば、故障したり不具合が起きたときもすぐに営業マンが来てくれて見てくれたり、メンテナンスでかけつけてくれます。 すぐ直らければ代替商品を手配してくれますし、いざというときに心強いサービスがついていることが多いと思います。 |
良くない面は、契約期間払い続けても決して資産にならなくて、いつまでもリース料金が発生するということになると思います。メンテナンスなどのサービス料が含まれていることが多いので、購入するよりも割高になる傾向もあります。 特に、故障もあまりしないような丈夫なものだと購入するほうがお得感はあると思います。 また、契約期間中に不用になったときは、その分の料金はまるまる損することになるので、必ずその期間使うことが決定しているという条件を満たしているかどうかを見極める必要があります。 |
使用期間が限られている物や、高額のために購入を躊躇するような物の場合はリースという制度はとても便利だと思います。 私自身も、赤ちゃん用品のリースを利用した経験があります。何年も使うわけではなく、数ヶ月の利用の予定のために購入しても、その後は邪魔になるし、かと言って用意しなければ困ると思ったからです。 結果、うちの子供はお気に召さなかったようで、全く利用してくれませんでした。 もし購入していたら、本当にがっくりきてしまったと思いますが、リースだったので、利用期間を短縮して返却する事ができました。お試しのつもりでの使用にも良いと思います。 |
リースした物が気に入って、長い期間借りていて、最後には結局買い取る事ができる制度もあります。この場合は最初から自分で購入した方が安上がりになる事も多いです。 例えば車などの場合、修理をしたり、車検を通したりしながら毎月車を購入するのと変わらない金額を払い、最後に購入する事になった場合、残高と今まで支払った金額の合計を計算すると割高になります。 あくまでもリースは『借り物』なので、扱いにも細心の注意を払う必要もあります。神経質になりすぎる位なら、リースはおすすめできません。 |
リースは買うより割高です。しかし、頻繁に故障したり、修理費用が高額な機械で、リース料金にメンテナンス費が含まれているなら、リースの方が安心だと思います。 例えばリース機械を経費で落とす場合、リース料として経費を上げられますし、その内訳を細かく記す必要はありません。買う場合は、減価償却費で落としますが、全額は落とせません。 この場合、用途、事業で使用するパーセンテージ、取得金額など詳細を記さなければなりません。経費で落とすならリース料の方が有利です。 |
滅多に故障しないもの、修理費用がさほどかからないものは、リースのメリットは少ないと思います。 リースは月々の支払いにメンテナンス料が含まれていることもあるので、割高です。リースの場合は、基本的に割引もありません。現金で買う場合は、割引されることが多いです。 また、リース期間が長期に渡ると、最初の計画では払えそうだったのに、のちのち支払いが苦しくなるというケースも考えられます。最後まで払わないとその商品は自分のモノになりません。払えるときに払うほうが気が楽です。 |
リースの良いと思う点は、費用の平準化ができることです。現金で物を買うのと違い、キャッシュ自体も一度に流出しなくて済みますし、減価償却の計算なども不要です。 月額いくらで支払い、と一度決めたら契約期間中ずっとその月落ち金額だけを気にしておけばよいので、手間が省けます。中小企業の経営者の方には特に嬉しい制度だと思います。 また、保険の付保や固定資産税の支払いなども全て所有者であるリース会社任せにできるので、とにかく手間を省きたいという方針の企業にはおすすめできます。 |
リースを利用する上でのデメリットは、いつまで支払っても所有権はリース会社にあるという点です。思ったより長く使えるな…という場合でも再リース料を払い続けるしかないので、損をしているように感じることがあるのです。 以前は、安価でリース会社が物件を売ってくれるケースなどもあったのですが、最近では過去の分の税務否認をされるリスクから、一度リースで扱った物件を同じ相手先に売ることを嫌うリース会社が多いのも事実です。 割賦のようなイメージで、ある程度払えば自分の物同然に扱えると誤解してリース契約を結んでしまい、のちのちトラブルになるケースもあるので注意が必要です。 |