年賀状のメリット
上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。
季節の挨拶を伝えられる
年賀状は日本の新年を迎える際の伝統的な挨拶手段であり、「明けましておめでとうございます」という基本的なフレーズに加え、健康や繁栄を祈る言葉を添えることで相手に温かい気持ちを伝えられます。直接会えない人にも気持ちを伝えられるのが大きな特徴です。特に、メールやLINEなどが主流の現代では、紙に印刷されたメッセージが逆に新鮮で、相手に特別感を与えることができます。また、目上の方や取引先などに向けたフォーマルな挨拶としても使えるため、ビジネスシーンでも重要な役割を果たします。
人間関係の維持に役立つ
年賀状は、普段あまり連絡を取らない人とも関係を維持する手段として活用できます。年末年始の忙しい時期に送ることで、「あなたのことを気にかけています」というメッセージが暗黙的に伝わります。特に、昔の同僚や学校の友人、遠方の家族など、日常的に会えない相手との関係を維持するためのきっかけとして役立ちます。受け取る側にとっても、自分を忘れずにいてくれるという安心感が生まれるため、年賀状を送ることが関係性の再構築や強化につながる場合もあります。
手書きの温かみ
年賀状を手書きで作成する場合、書き手の温かみが伝わります。近年では印刷された年賀状が増えていますが、そこに一言でも手書きのメッセージを添えると、相手に「特別に気を配ってくれた」という印象を与えられます。特に、文字の癖や筆跡にはその人らしさが現れるため、デジタルメッセージにはない人間味が感じられます。また、子どもが描いた絵や手書きのイラストを添えることで、家族の温もりが一層伝わることもあります。
日本の文化を感じられる
年賀状は、日本の新年の伝統的な風習の一部であり、現代においても文化的価値を持ち続けています。新年を迎える際に書状を交換するという行為そのものが、古くからの日本人の礼儀や節目を大切にする精神を反映しています。特に、年賀状に描かれる干支や伝統的なモチーフ(松竹梅、富士山など)は、日本独自の美意識を感じさせます。このような文化的背景があるため、海外の人に送る場合も、日本らしい習慣を紹介する機会として活用できます。
ビジネスでの信頼構築
年賀状は、ビジネスにおいて重要なツールとしても活用されます。取引先や顧客に年賀状を送ることで、感謝の気持ちを伝えるだけでなく、関係性の強化を図ることができます。特に、手書きのメッセージや個別の挨拶が添えられている場合、相手に対する配慮が伝わり、信頼感が向上します。また、新年の挨拶を通じて企業やブランドのイメージアップにもつながります。これは、デジタルコミュニケーションでは得られにくい効果といえます。
感謝の気持ちを表せる
年賀状は、過去一年間の感謝の気持ちを伝える場としても役立ちます。家族や友人、仕事の関係者など、普段は感謝の言葉を直接伝える機会が少ない相手に向けて、素直な気持ちを表す絶好の機会です。「昨年はお世話になりました」といった一言があるだけで、受け取る側にとっても嬉しいものです。特に、目上の方や恩人に送る年賀状には、丁寧な言葉遣いと感謝の言葉を盛り込むことで、相手に良い印象を与えることができます。
家族や友人の近況が分かる
年賀状には、近況報告が添えられることが一般的です。たとえば、家族写真や子どもの成長の様子を記したり、今年の抱負を共有したりすることで、受け取る側に自分たちの現在の状況を伝えられます。これにより、特に遠方に住む家族や友人にとって、物理的な距離を越えたつながりを感じることができます。また、普段は忙しくてなかなか話せない相手とも、この機会を通じてお互いの生活について知ることができます。
趣味や個性を表現できる
年賀状のデザインや内容は、送り手のセンスや個性を反映する場となります。たとえば、自作のイラストや撮影した写真を使用した年賀状は、オリジナリティがあり、受け取る側に感動を与えます。また、趣味や特技を活かしたデザインを用いることで、自分のライフスタイルや価値観をさりげなくアピールできます。こうした工夫は、相手に強い印象を残し、より親密な関係性を築くきっかけとなる場合があります。
伝統的な形式で礼儀正しい印象を与える
メールやSNSが普及した現代において、あえて年賀状を送ること自体が礼儀正しさを示す行為とされています。特に、ビジネスシーンや目上の方への挨拶では、形式的な年賀状が高く評価されます。手書きや丁寧な言葉遣いを用いることで、相手への敬意が伝わり、信頼関係をより深めることができます。形式的でありながらも真心が込められている点が、年賀状ならではの魅力です。
思い出として残せる
年賀状は、受け取った後も思い出として保管しておくことができます。特に、家族写真や特別なメッセージが記された年賀状は、後々振り返ったときに懐かしい気持ちになるものです。また、長年にわたって年賀状を交換している相手との関係性を見直すきっかけにもなります。デジタルデータとは異なり、手に取れる形で残るため、アルバムに保管したり、家族で共有したりすることも容易です。
年賀状のデメリット
上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。
作成に時間がかかる
年賀状は、作成や準備に多くの時間を要します。一人ひとりに手書きのメッセージを添える場合、人数が多いほど作業時間が増えます。デザインを考えたり印刷したりする工程も、慣れていない場合は手間がかかります。また、宛名書きや投函のタイミングにも気を配る必要があり、特に年末の忙しい時期にこれらの作業を行うのは負担に感じる人が多いです。効率化のために印刷業者やオンラインサービスを利用する方法もありますが、それでも完全に手間を省くことはできません。
コストがかかる
年賀状の作成には、はがき代、印刷費用、デザイン費用などが必要で、枚数が多いほど出費も増えます。一般的な年賀はがきは1枚63円(2025年現在)ですが、これに加えてカラープリント代や写真用の用紙を使うと1枚あたりのコストがさらに高くなります。特に、特注デザインやプロに依頼する場合は費用がかさみます。さらに、郵送の手間や送料も含めると、年賀状の送付が家計に負担を与えることがあります。
紙の無駄遣い
年賀状は毎年大量に作成されるため、環境負荷が懸念されています。印刷に使われる紙やインクの消費は、資源の無駄遣いにつながる可能性があります。また、受け取った側が保管せずに廃棄する場合、リサイクルされないとゴミとして問題になります。デジタル化が進む現代では、電子メールやSNSで新年の挨拶を送る方法が広がっており、紙の年賀状は持続可能性の観点から見直されるべきという声もあります。
送るタイミングのプレッシャー
年賀状は、年末年始の限られた期間に送ることが一般的です。そのため、12月中に準備を整え、元旦に届くよう投函するプレッシャーがあります。仕事や家事で忙しい時期にこれを行うのは、多くの人にとって負担です。また、年賀状を受け取ってから急いで返信を準備する場合もあり、忙しさに拍車をかけることがあります。このタイミングの制約が、年賀状を送ることへのハードルを上げている要因の一つです。
相手からの反応を期待する心理的負担
年賀状を送る側は、相手からの返信を期待することがありますが、返信がない場合、落胆することがあります。「自分は送ったのに返事が来ない」と感じることが、人間関係への不満につながる場合もあります。また、相手が年賀状を送る習慣を持っていない場合や、単に忘れていた場合でも、送り手にとっては失礼に感じられることがあります。このように、年賀状を交換することに伴う期待と現実のギャップが心理的負担を生むことがあります。
住所の管理が必要
年賀状を送るには、相手の最新の住所を正確に把握しておく必要があります。しかし、引っ越しや転居が多い現代では、住所録を更新する作業が面倒に感じられます。特に、古いデータのまま送った場合、届かなかったり、相手に迷惑をかけたりすることがあります。また、個人情報を管理する際にはセキュリティへの配慮も必要であり、不正使用や漏洩のリスクもあります。
形式的になりがち
年賀状は、特に多くの人に送る場合、内容が定型化しがちです。同じような挨拶文やデザインを繰り返し使うと、形式的で心がこもっていない印象を与える可能性があります。受け取る側も、毎年似たようなデザインや言葉では感動を覚えにくくなります。この形式的な側面は、年賀状が義務感で作成されていると感じさせる原因となり、送る側にとっても作業的な負担に感じられることがあります。
デジタル時代に馴染まない
スマートフォンやSNSが普及した現代では、年賀状という紙媒体の習慣が若い世代には古いと感じられることがあります。特に、メールやLINEではすぐに挨拶を伝えられ、コストもほとんどかからないため、年賀状を選ぶメリットが薄れる場合があります。また、デジタルでの挨拶はインタラクティブ性が高く、リアルタイムのコミュニケーションが可能なため、紙の年賀状が時代遅れに感じられることも少なくありません。
大量の整理が大変
年賀状は毎年増え続けるため、保管場所に困ることがあります。特に、過去の年賀状をすべて保存している場合、何年分ものカードが溜まり、収納スペースを圧迫します。また、年賀状を捨てる際にも、個人情報が記載されているため、適切な処理が必要です。このような管理の煩雑さが、年賀状の送受信を避ける理由の一つとなっています。
プライバシーリスク
年賀状には、住所や名前などの個人情報が記載されています。そのため、紛失や誤配達によるプライバシー漏洩のリスクがあります。また、宛名書きや管理の際に、個人情報が第三者に流出する可能性も考えられます。特に、会社で大量に送付する場合、データの取り扱いに注意が必要です。このリスクは、デジタル化が進む現代において、ますます問題視されています。
みんなの意見
賛成意見 | 反対意見 |
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メールのやり取りが主流になった最近では手紙、葉書を手書きする機会は激減しました。そんな中、相手を思いながら年賀状を書く時間は貴重な機会だと思います。自分自身も一年を振り返り、新しい年に気持ちを切り替えるという意味でも年賀状を書いています。何事も時短で手軽にという時代だからこそ、心にゆとりを持ち年賀状を書く時間を大切に持ち続けたいです。心のこもった年賀状を頂くと嬉しいですし。干支に思いかけたり日本の伝統文化といっても良い年賀状は是非続けたいです。 | スマホやLINEが普及している今、わざわざ年賀状を出すということ自体が時代遅れな雰囲気があります。特に若者はそうです。また、自分が送っていない相手から年賀状をもらった場合「しまった、出していない、返さなくてはいけない」という気持ちになってしまいます。遅れて元旦以降に出したところで、相手には「あ~、出してないのにもらったから出したんだな」という風に受け取られる場合もあります。そのやりとり自体がお互いストレスになりかねません。結婚や出産を機に、年賀状を出したものの、翌年からはどうしよう、出したほうがいいかなとズルズル惰性だけで出し続けている人もいるでしょう。一言、コメントを書いていない、とか毎年同じ文言を書いているだけ、などに出す意味はあるのか?という気もします。 |
こんなデジタル主流となった今でも正月に年賀状をいただけるととても嬉しい気持ちになるものです。そう考えていらっしゃる方も多くいるはずですので年賀状を出し合うという習慣はなくならないでほしいと思います。普段はほとんど交流のない知人でもなんの遠慮もせずに年賀状だけは自然な気持ちで送ることができるのも良いと思います。互いにそう思っているからか、年賀状が届いて久しぶりに知る知人の近況にも嬉しくなってしまいます。 | 毎年、年賀状を貰って少し困るのが写真付きの年賀状です。幸せそうな結婚、出産の報告や子供の写真。微笑ましくは思いますが、処理に困ります。正直、よそ様の幸せ写真を何度も見直すことはありませんし、結局は捨てることになります。笑顔の写真を捨てるのも罪悪感がありますし写真付きの年賀状は反対です。また、企業の宣伝の為の年賀状や、印刷だけでいかにも儀礼の年賀状は無駄なので辞めて欲しいです。実際、儀礼だけで書いている年賀状の枚数の方が多かったりすると、年賀状はもういらないと思います。 |
年賀状のいいところは、一年に一度の挨拶がきちんと出来るところだと思います。なかなか会えない遠い親戚の方や友人にも年賀状を出すことで会えなくてもまだまだ縁があるのだなと感じることができます。また、年賀状を作る時も毎年どんな柄にしようかなとか何が可愛いかななどと考えながら作成出来るのがとても楽しいです。そういった楽しむことができるイベントがあるのがとてもいいところだと思います。また、年賀状をきっかけにまた会うようになった友達もいるのでとてもいいツールだと思います。 | 年賀状を試しにデジタル化してみようとするとそのサイズは1枚につき数キロバイト程度にしかならないはずです。そんな軽量な年賀状を1枚送るだけで数十円もしますし、印刷等のランニングコストを考慮するともっと高くなってしまいます。デジタル通信と比較するとこれはとても高額なように思えます。更に金銭的なコストだけではなく時間的にもマンパワーが必要となってしまいますので1枚にどれだけのコストが掛かってしまうのだろうかと考え込んでしまいます。1枚の年賀状は薄い紙切れですがそれが何十枚ともなりますと結構な保管スペースを必要とするのも困りものです。 |
私はくれた人にしか年賀状を出さないので大きな声で言えた義理ではないのですが、普段は会うことのない遠方の友人、親戚などからもらうと年1の近況報告のようで嬉しいです。友人は年賀状をきっかけに久々に連絡を取り合うこともあるので、繫がりを絶やさないという意味で役立っています。なかなか会えなかったり遠方の人ほど年賀状は意味があると感じています。どちらかというと写真よりも手書きのメッセージがあった方が温かみがあって好きです。 | 良くないところは、出した人から返ってこなかったりすると悲しくなってしまうことです。また、こちらも出し忘れたりすると申し訳なくなってしまうこともあります。そういったことがないように、きちんと管理するのが意外と大変だなと思いました。また、今の時代だと年賀状というのを作るのがめんどくさいというのがあるので年賀状の売っているところが以前よりも減ったなと思いました。そういったように今ではネットを通じて出来てしまうので年賀状が減ってきているのが悲しいと思いました。 |
年賀状でしかやりとりしていない遠方の友人や親せきとやりとりできるという点は良いところだと思います。手紙は堅苦しいし、文章もある程度考えなくてはいけません。かといってメールやLINEをするほどでもない相手もいます。その点、年賀状だと出す時期も決まっているし、書くコメントもそこそこの長さがあれば十分です。家族写真付きだと、毎年の子供の成長が見えたりしてなんともほっこりできます。写真じゃなくてもいろんなデザインのものを自分で選べます。普段やり取りしていなくても、年賀状をきっかけにメッセージのやり取りをすることもあります。あとは最近年賀状を出す人は減っているので(特に若い人)その中でも年賀状を大事に思う相手とやり取りできるのは貴重なことでもあり、ご縁を感じられるいい機会でもあると思います。 | よく議論にあがりますが、子どもの写真入りの年賀状はあまり好きではありません。家族写真ならまだしも、会ったこともない子どもの写真だけデカデカと載せられてもそんなに見て嬉しいものではありません。私は流産を繰り返していた経験があり、その時には年賀状の赤ちゃんの写真を見るのが恐怖でした。流産したことを伝えていても出してくる人が多かったです。自分は他人に同じ思いをさせないよう年賀状は自分からは出さないし、くれた人にはシンプルなもので返しています。 |