メリット デメリット
事故による車の修理費をカバーできる 保険料が高額になる
台風・洪水など自然災害にも対応できる 年式が古い車には加入できない場合もある
盗難にも対応している 免責金額の設定により全額補償されないこともある
当て逃げなど相手が特定できない事故も補償される 軽微な事故でも等級が下がる
経済的な安心感が得られる 修理費が車の価値を上回ると「全損」扱いになる
リース車両やローン残債がある場合も安心 車両保険は補償範囲によって選択が必要
免責金額を設定でき、保険料調整が可能 補償対象外のケースがある
初心者や高齢者など事故リスクが高い人に適している 保険金の請求手続きが煩雑な場合がある
レンタカー費用特約などと併用できる 車両の価値は年々下がる
新車特約や車両価額協定保険金で全損時も安心 一部特約は別料金になる

車両保険のメリット

上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。

事故による車の修理費をカバーできる

車両保険の最大のメリットは、自分の車が事故で損傷した場合に修理費を補償してもらえる点です。たとえば、壁や電柱への衝突、車庫入れ時の接触など、相手がいない自損事故でも保険を利用して修理が可能です。特に修理費が高額になるケースでは大きな経済的負担を防ぐことができ、安心して車を利用できます。また、事故の際に相手との交渉や責任割合によらず、自分の車を確実に直せるのは大きな安心材料です。

台風・洪水など自然災害にも対応できる

一般型の車両保険を契約していれば、台風や大雨による洪水、落雷、地震以外の自然災害による車の損害も補償されます。たとえば、大雨による冠水でエンジンが壊れた、突風で飛来物がぶつかったなど、突然の自然災害に見舞われた際も修理費が保険から支払われます。日本は災害の多い国であるため、こうした備えは重要です。異常気象が増えている昨今、自然災害への備えとして車両保険の価値は年々高まっています。

盗難にも対応している

車両保険の中でも「一般型」を選択している場合、車そのものが盗まれた場合や、車内のパーツが盗難被害にあった場合にも補償対象となります。とくに人気の高い車種や高級車は狙われやすく、盗難リスクが現実的に存在します。万一、車が戻ってこなかったとしても、保険金によって買い替え費用の一部または全部をまかなえるため、経済的な損失を大幅に軽減できます。盗難の不安を抱える地域やオーナーには大きな安心材料です。

当て逃げなど相手が特定できない事故も補償される

当て逃げは被害者にとって非常に厄介な事故ですが、相手が判明しない以上、通常の対人・対物保険では補償対象外です。しかし「一般型」の車両保険であれば、こうした当て逃げ被害にも対応可能です。たとえば、駐車場に停めていた車が擦られていたり、バンパーがへこんでいたりしても、修理費用を保険からまかなえるのです。加害者が分からなくても補償を受けられるという点で、自分自身を守る重要な手段となります。

経済的な安心感が得られる

万一の事故で車が損傷した場合、修理代は数十万〜百万円単位になることもあります。そうした高額出費を突然負担するのは家計にとって大きな痛手です。車両保険に加入していれば、自己負担を抑えて修理ができるため、急な支出への不安が軽減されます。たとえ事故を起こさなくても「もしもの備えがある」という心理的安心感は大きく、特に日常的に車を使う家庭や仕事用の車を持つ人にとって、経済的・精神的な支えとなります。

リース車両やローン残債がある場合も安心

車をローンで購入したり、リース契約をしている場合、車が全損しても支払い義務だけが残るという最悪のケースが考えられます。車両保険に加入していれば、万が一事故で車が使えなくなっても保険金でローン残債をカバーできる可能性があります。とくに新車を分割で購入している場合、購入直後の事故では車の価値が保険金に直結するため、経済的損失を抑える意味でも車両保険の役割は非常に重要です。

免責金額を設定でき、保険料調整が可能

車両保険には「免責金額(自己負担額)」を設定できる仕組みがあり、たとえば事故時に最初の5万円を自己負担とすれば、保険料を抑えることが可能です。このように契約内容を柔軟に調整できるため、「補償は欲しいけど保険料は抑えたい」と考える人にとっては大きなメリットとなります。軽微な損害は自己負担で対応しつつ、大きな事故の際だけ保険を利用するという使い分けも可能になります。

初心者や高齢者など事故リスクが高い人に適している

運転歴が浅い初心者や反応速度が落ちてくる高齢者は、どうしても事故のリスクが高くなりがちです。こうしたドライバーが事故を起こした際、車両保険があれば高額な修理費を自腹で負担せずに済みます。特に軽微な接触や判断ミスによる自損事故は避けづらいため、事故リスクを客観的に考慮したとき、車両保険に加入しておくことは家族全体の安心にもつながります。万が一の備えとして特に重要な存在です。

レンタカー費用特約などと併用できる

車両保険には「レンタカー費用補償特約」などを付帯でき、事故や故障で車を修理している間、代わりの車を借りる費用を保険で補えるようになります。日常的に車が欠かせない人にとって、修理中に代車がないと生活や仕事に大きな支障が出ることもあります。こうした特約と車両保険をセットにすることで、事故後の生活の混乱を最小限に抑え、復旧までのスムーズなサポートが受けられるという安心があります。

新車特約や車両価額協定保険金で全損時も安心

新車購入時に「新車特約」や「車両価額協定保険金」の契約をすると、事故で全損になった場合でも、保険金として新車購入時に近い金額が支払われます。通常、車の価値(時価)は購入から時間が経つごとに下がってしまいますが、これらの特約を付けていれば、減価を抑えた形での補償が可能です。せっかく高額な新車を購入したのに、事故直後に価値が激減するリスクを和らげる有効な手段です。

車両保険のデメリット

上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。

保険料が高額になる

車両保険を付けると、対人・対物保険のみのプランと比べて保険料が大幅に上昇するのが一般的です。とくに高級車や新車など、車両の価値が高い車ほど保険金額が大きくなり、それに伴って年間の保険料も高く設定されます。また、車両保険を一般型で契約するとエコノミー型よりもさらに割高になるため、家計に負担がかかるケースもあります。「備えたいがコストが重い」というバランスの取りにくさが、車両保険の大きなデメリットの一つです。

年式が古い車には加入できない場合もある

車の年式が古くなると、その車の市場価値(時価額)が大幅に下がるため、車両保険に加入できなかったり、補償額が非常に低く設定されたりすることがあります。保険会社によっては10年以上前の車両に対しては引き受けを制限している場合もあり、「車両保険を付けたくても付けられない」という状況に陥ることも。また、補償が付けられても実際の修理費に見合わない金額しか出ないことがあり、十分な保険とは言えないこともあります。

免責金額の設定により全額補償されないこともある

車両保険では、契約時に「免責金額(自己負担額)」を設定することが一般的です。たとえば免責5万円と設定していれば、事故時に修理費が10万円でも5万円は自己負担となります。そのため、軽微な事故では結局自分で全額負担することになり、保険の恩恵が受けられないことも。また、1回目と2回目の事故で異なる免責額が適用される「1回目5万・2回目10万」といった契約内容もあるため、仕組みをよく理解しておく必要があります。

軽微な事故でも等級が下がる

車両保険を利用すると、自損事故や当て逃げなどのケースでも「事故あり」として記録され、保険の等級が下がる仕組みになっています。等級が下がると翌年以降の保険料が高くなり、結果としてトータルで見たときのコストがかえって高くつくこともあります。特に「保険を使うべきか迷う軽微な損傷」においては、利用することで損をする可能性があるため、判断に悩むケースが多い点もデメリットと言えるでしょう。

修理費が車の価値を上回ると「全損」扱いになる

事故で車が大きく損傷した場合、修理費用がその車の時価(市場価値)を上回ると、保険会社は修理を認めず、「全損」として車両保険金を支払う対応になります。つまり、直したくても保険では対応してもらえない状況になることがあるのです。しかも、受け取れる保険金はあくまで時価ベースなので、車の価値が低いと実際の修理費には足りないことも。こうした点は、特に古い車を大切に使っている人にとって悩ましい問題です。

車両保険は補償範囲によって選択が必要

車両保険には大きく分けて「一般型」と「エコノミー型(車対車+A)」があり、それぞれ補償される範囲が異なります。一般型は自損事故や当て逃げにも対応していますが、その分保険料が高めです。一方、エコノミー型は他車との接触や自然災害には対応しますが、自損事故や当て逃げは対象外になるため注意が必要です。自分の運転環境やリスクを正確に把握し、適切なプランを選ばないと「いざというときに補償されなかった」という事態に陥ることもあります。

補償対象外のケースがある

車両保険は万能ではなく、いくつかのケースでは補償対象外となります。たとえば、飲酒運転・無免許運転・故意による破損行為、さらにはレース参加中の事故などは保険金が支払われません。また、地震や津波など一部の自然災害も対象外となる場合があるため、契約内容や約款を十分に理解しておくことが重要です。せっかく高い保険料を支払っていても、対象外の状況に該当してしまえば意味がなく、契約前の確認が必須です。

保険金の請求手続きが煩雑な場合がある

事故が起きた際、車両保険を利用するには様々な書類の提出や手続きが求められます。警察の事故証明書、修理工場の見積書、事故状況の説明書などが必要になり、書類をそろえるだけでも時間と労力がかかります。また、保険会社とのやり取りも複数回必要となることが多く、仕事や生活が忙しい人にとっては負担に感じられることもあるでしょう。スムーズに進めるためには事故後すぐの対応と、事前の準備が鍵となります。

車両の価値は年々下がる

車両保険で支払われる保険金額は、基本的に車の「時価額」が基準になります。つまり、購入から時間が経過すればするほど車の価値は下がり、補償額も低下していきます。その結果、事故により車が全損となった場合でも、受け取れる金額が実際の修理費や代替購入費に満たないケースもあります。長く乗っている車ほど保険料に対するリターンが少なくなり、「払い損」と感じる人も少なくありません。年数経過による価値低下は避けられない問題です。

一部特約は別料金になる

車両保険には「新車特約」「レンタカー費用補償」「車内身の回り品特約」など、さまざまなオプション特約がありますが、これらは基本的に追加料金が必要です。加入することで補償内容は手厚くなりますが、その分保険料も高くなり、トータルの支出が増えてしまいます。必要な特約を見極めずに付けすぎると、費用対効果が悪くなるリスクもあります。自分の使用状況に合った特約を見極めて選ぶ判断力が求められます。

みんなの意見

賛成意見 反対意見
いくら入っていても万全とは中々言い切れないのが、自動車関連の保険でありますが、車両保険というのはそういった不安を随分と和らげてくれる保険と言えます。

まず何と言っても、車両保険は補償内容が非常に手厚いのが売りであります。ありとあらゆる事故やアクシデントに対応しているのが車両保険の持ち味です。

自動車を自らの不注意で自損した場合において、車両保険にさえ入っていればと思う事は誰しもが体験する事であり、自動車の保険を万全に近付ける保険と言えるでしょう。
普通の自動車保険は、ある程度の年齢や運転歴に合わせて随分と安くなっていくのですが、車両保険はその様な場合であっても驚くほど高くつきます。

手厚い補償が売りとはいえ、庶民ドライバーにとっては中々手が出せる金額ではありません。そして、一度使うと掛け金がとても高くなってしまうというのも手が出し難い要因です。

せっかく高い金額を払って加入していても、使ってしまうと値段が高くなり過ぎて、得をしたのか損をしているのか分からないと思ってしまうパターンもありえます。
事故を起こした時、どんな事故状況であろうと自己負担なく自分の車を修理できるところが良いところだと思います。もし全損となった場合でも設定金額全額が保険金として支払われるので新しい車を手に入れることも容易になります。

自分がいくら気をつけてももらい事故をしてしまうこともあります。そう言う時に車両保険に入っていると安心です。

駐車場に止めている間に当て逃げの被害に遭ったとしても車両保険さえあれば、修理費用が補償されます。車両保険に加入していれば安心して車を運転することができます。
車両保険に加入することのデメリットは保険料の高さです。若いころって等級も低く保険料がかなり割高です。だから車両保険に加入することをためらってしまういます。

けれど事故が多いのは、その若い世代なんです。なのに保険料がかなり高くなってしまって入れないのでは意味がありません。

折角ばっちり加入していたとしても事故が起きなければ払い込んだ保険料は1銭たりとも帰ってこないのも、良くないと思う点です。税制上のメリットもあまりない自動車保険にはそんなにお金をかけたくありません。
車両保険の良い点は、補償の内容が手厚いことです。通常の自動車保険では保証されない、車の車庫入れ時に車に傷を付けてしまう、などの自損事故でも車の損害を補償できます。

更に、事故相手が無保険だったとしても保険で車の修理ができます。車への損害を起こした相手が分からない場合でも、保険金が支払われることも特徴です。

例えば、当て逃げ、盗難、火災、イタズラなどが挙げられます。こういった事は往々にして起こりうるものなので、価値が高い車に乗っている場合は、車両保険に加入しておいた方が安心です。
保険料が高いということが、車両保険のもっとも良くないところだと思います。車両保険を付けると等級が下がり保険料が上がります。

手厚い補償があるとはいえ、何も事故などが起きなかった場合でも、割高の保険料を払い続けなくてはなりません。

また車の価値分のみ補償されるので、車の価値が低い車にはあまり意味がありません。

補償金額は、車が古くなれば古くなるほど下がっていくので、修理費用全額が支払われないこともあり得ます。修理金額の上限が同等車種の時価に設定されているためです。
車の傷を修理するとき、傷の程度によっては修理費が軽く10万円を超えてしまうことも珍しくありません。それをカバーできるという点で車両保険は良いと思っています。

加害者が明確な傷なら相手の保険を使って修理してもらうことができるけど、当て逃げなどの場合は自分で直すしかありません。その時に自費で支払うことに比べれば、車両保険を適用できるのは魅力的です。

実際、私自身は以前強風で煽られて飛んできた金属片によって車に傷が付いたことがあります。かなり大きな傷がついてしまいましたが、車両保険で直すことが出来てとても助かりました。
車両保険の補償内容にはいくつかの種類があって、自分で必要だと思う内容を選ばなくてはいけないのが少し面倒かもしれません。しかも車両保険は保険料が高めです。

自動車保険を節約したいなら車両保険を縮小すると良いと言われるくらい、保険料の中で占める割合が大きな項目になっています。

そこで補償内容が少ないエコノミーを選んでしまった場合、どうしても補償対象が限られるので車両保険を使いたい時に使えない可能性が出てきます。

充分にカバーできないなら付帯しても意味がなくなってしまうし、充分なカバー力を備えさせると保険料が高くなるのは難点だと思います。