メリット デメリット
就職・転職で有利になる 取得に時間と労力がかかる
専門性が身につく 費用が高額になることがある
自己肯定感・自信が得られる 必ずしも就職に直結しない
昇進や昇給に有利 更新や継続研修が必要な場合がある
独立や起業の手段になる 資格マニアになってしまう恐れ
キャリアチェンジのきっかけになる 資格の価値が時代とともに変化する
社会的信用が得られる 競争が激しくなることがある
副業・在宅ワークにも活かせる 業務範囲が限定されていることがある
学習習慣が身につく 過度な期待をされることがある
老後やセカンドキャリアの支えになる モチベーションの維持が難しい

資格のメリット

上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。

就職・転職で有利になる

資格はその分野における知識やスキルの証明となるため、履歴書に記載することで企業に対するアピール材料になります。特に、士業(弁護士・税理士など)や専門職(看護師・保育士・宅建など)では資格がないと仕事ができないケースもあり、資格保有者は優先的に採用されやすくなります。また、未経験分野への転職でも資格があれば「本気度」や「基礎力」を示すことができ、面接時の説得力が増します。

専門性が身につく

資格の勉強を通じて、その分野に関する専門的な知識や実務スキルを体系的に学ぶことができます。独学では学びにくい部分も、テキストや試験制度を通じて効率的に理解できます。特に、医療・法律・会計などの領域では、資格学習によって現場で通用する知識の土台が築け、プロフェッショナルとしての第一歩となります。

自己肯定感・自信が得られる

資格試験に合格するまでの努力や結果は、自分の成長を実感できる大きな要素です。特に難関資格を取得した場合、自分の努力が報われたという成功体験となり、今後の人生においても自信をもって挑戦できるようになります。小さな資格でも「やり切った経験」が自己肯定感の向上につながります。

昇進や昇給に有利

企業によっては資格手当が支給されたり、昇進の条件として資格取得が求められることがあります。たとえば、IT企業での基本情報技術者やネットワーク系資格、建設業での施工管理技士などが該当します。資格は実力を裏付けるものとして評価されるため、社内でのキャリアアップの武器となります。

独立や起業の手段になる

弁護士、公認会計士、行政書士、社会保険労務士などの「士業」系資格は、資格があれば自らの事務所を構えたりフリーランスとして活動することが可能です。会社に依存せず、自分の力で働き方を選べる自由が得られるのは大きなメリットであり、収入アップの可能性も広がります。

キャリアチェンジのきっかけになる

資格を取得することで、それまで関わったことのない業界や職種に挑戦することが可能になります。たとえば、営業職からITエンジニア、事務職から医療事務、主婦から保育士など、人生の転機として「学び直し」としての価値を持つのが資格の特長です。年齢を問わず新たな一歩を踏み出せるのは大きな魅力です。

社会的信用が得られる

資格を持っていると、周囲から「専門性がある」「信頼できる」と評価されやすくなります。特に対人業務(保険、不動産、医療、教育など)では、資格の有無が顧客の安心感にも直結します。名刺や看板に資格名を記載することで、社会的な信用度が高まり、ビジネスにも好影響を与えます。

副業・在宅ワークにも活かせる

最近では資格を活かした副業や在宅ワークの選択肢も広がっています。たとえば、簿記資格を活かして在宅経理、IT系資格でリモート開発、語学資格で翻訳・通訳など、自宅にいながらスキルを活用できる機会が増加しています。これにより、育児や介護と両立した働き方も実現しやすくなります。

学習習慣が身につく

資格取得に向けた勉強を通じて、計画的に学ぶ習慣が身につきます。これは人生の他の場面(語学、ビジネススキル、ライフプラン)にも活かされる力であり、継続的な成長を支える土台となります。社会人になっても「学び続ける姿勢」を養うことができるのは大きな意義があります。

老後やセカンドキャリアの支えになる

退職後も続けられる仕事に就くために、資格は大きな支えになります。たとえば、介護職員初任者研修や行政書士、講師系の資格などは、年齢を問わず働けるフィールドが多く、老後も自立して活動できる手段となります。また、定年後の趣味やライフワークとして資格取得に挑戦する人も増えており、生きがいにもつながります。

資格のデメリット

上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。

取得に時間と労力がかかる

資格取得には多くの場合、長時間の学習と努力が必要です。特に難関資格では半年〜数年に及ぶ勉強期間が必要なこともあり、仕事や家庭との両立が困難になる場合もあります。社会人が資格勉強を始めると、プライベートな時間を犠牲にしなければならないことも多く、モチベーションの維持が大きな課題になります。結果が出るまでに時間がかかる点は大きなデメリットといえます。

費用が高額になることがある

資格取得には受験料だけでなく、テキスト代、通信講座や専門学校の受講料など、多くの費用がかかる場合があります。たとえば、社労士や司法書士などの国家資格を目指す場合、総額で数十万円以上かかるケースも珍しくありません。費用をかけても不合格になる可能性もあるため、費用対効果を慎重に考える必要があります。

必ずしも就職に直結しない

資格を取得しても、それだけで希望する仕事に就けるとは限りません。実務経験が重視される業界も多く、資格が「足がかり」にしかならない場合もあります。特に競争が激しい職種や、資格保持者が多い分野では、資格があっても差別化が難しくなることもあります。そのため、「資格だけでは不十分」という現実に直面することもあります。

更新や継続研修が必要な場合がある

一度取得すれば永久に使える資格もあれば、定期的な更新が必要な資格もあります。たとえば、教員免許や介護福祉士、保育士などは、一定年数ごとに研修や実務経験の証明が必要になります。これにより継続的に時間や費用がかかり、資格を維持すること自体が負担となることがあります。更新を怠ると無効になるリスクもあります。

資格マニアになってしまう恐れ

資格取得が目的化してしまい、実際の活用に結びつかないケースもあります。資格を次々と取ることが趣味や癖のようになり、現場でのスキルや実績が伴わない「資格マニア」になってしまうリスクがあります。たくさん資格を持っていても、活かせていなければ実務では評価されにくく、本末転倒になる恐れがあります。

資格の価値が時代とともに変化する

時代や社会のニーズに応じて、資格の価値は変動します。たとえば、一時期は重宝された資格でも、技術革新や制度改正により需要が減少することもあります。逆に無資格でもスキルさえあれば活躍できる業界(ITやデザインなど)も増えてきており、資格が絶対的な価値を持たない時代になりつつあります。

競争が激しくなることがある

人気資格は多くの人が目指すため、資格保持者が増えすぎてしまい、市場での競争が激化します。たとえば、保育士や宅建士、行政書士などは取得者が多いため、資格だけでは差別化が難しく、実務経験や人間性が重視される傾向が強くなっています。これにより、資格を持っているだけでは十分に評価されない現象が起きます。

業務範囲が限定されていることがある

資格によっては、その業務内容が法律や制度により厳しく定められており、自由度が少ない場合があります。たとえば、医療系資格は高度に専門的である一方で、できることが限られており、他職種への応用が難しい場合があります。このため、キャリアの幅を広げるという点では不利になることもあります。

過度な期待をされることがある

資格を持っていることで、職場や周囲から過剰な期待をかけられることがあります。特に新人であっても「資格を持っているのだからできて当然」とプレッシャーを感じる場面が増えることもあります。また、自分のスキルがまだ十分でない段階で難しい仕事を任され、ミスを招くリスクも高まります。

モチベーションの維持が難しい

資格試験は短期間で結果が出るものばかりではなく、長期戦になりやすいため、途中で挫折してしまう人も少なくありません。特に独学で挑む場合、孤独感や不安に襲われやすく、モチベーションを保つのが大変です。また、一度不合格になると再挑戦への気力が湧かないことも多く、心の負担も大きくなります。

みんなの意見

賛成意見 反対意見
現在の日本では様々資格があり、自分の職種や希望職に合わせた資格も多々あることから、スキルアップに繋がる点が優れていると考えています。

また、自分の現在の能力に合わせて資格の受験級を選択できるものが多いので、無理せず徐々に知識やスキルを身に着けることができることも魅力的です。

本当に自分のニーズに適した資格が探せばほぼ必ず見つかるような状態であるし、探す過程の中で新たに興味を惹かれる資格が見るかることもあります。こういったことが、私が資格を肯定する理由です。
資格の利点として数多くの種類があることが挙げられますが、一方でそれは日本を『資格天国』と呼ばれる状況を作りだしています。

本来、資格は保有者の能力を示す指標になり得ますが、現状では任意の資格を持っている人より資格非保有者の方が圧倒的にスキルの高いという場面が見られます。資格そのものの信用性が『資格天国』なる状況によって低下しています。

こういった背景があるものの、資格はどんどん増えている一方です。私が資格に対して否定的な意見を持つ理由は、以上のようなことが要因となっています。
資格はその領域への知識や技量が一定以上あることを証明するものです。また、資格によっては所持していなければ業務そのものが不可能な場合もあります。特に、医師や看護師など人命にかかわる業務の場合、資格は重い意味を持ちます。

仕事は興味があれば誰でもやってよいという訳にはいきません。どんな仕事でも必要な知識や技術はあります。

それを資格によって証明されることで、業務の的確な遂行が保証されますし、サービスを受ける人へ安心感を与えます。そういう意味で資格には賛成です。
最近、仕事につくには資格が全てという考え方をする人が増えています。とにかく、資格試験に受かって資格を持ちさえすれば大丈夫という考え方です。実際は資格を持っていればその仕事が全てできるとは限りません。

資格というのは、職場へ出るためのパスポートにすぎないと思います。どんな仕事でも大事なのは人間性と経験の積み重ね、そして職場での協調性です。

資格があるから立派な仕事ができるとは限らないのです。そういう意味で資格重視の考え方には反対です。
国家資格など一部の資格は、保有者でしか就けない仕事があるので持っていると有利です。

また資格を持っている事により、販売業のようにお客さん相手の仕事の場合、信頼感を抱いてもらいやすくなります。会社によっては、特別手当がついたりする場合もあります。

その他では、資格の勉強をする事により、その分野での知識を深める事ができたり、自分のモチベーションをあげる事ができます。実践的な知識では知りえない、新しい教養が身に付きます。
例えば就職に有利だからという理由で資格を取ったとしても、経験を重視する職種の場合は無駄になってしまいます。

それならば、資格を勉強している時間にバイトでもいいからその仕事に近い仕事をする方が、結果的に近道になる事もあります。

また、資格を取る事が目標になってしまって、取れたら満足してしまうというパターンもあります。

予備校などに高いお金をつぎ込んで、何年もかけて資格を取っても、実際に働いてみたら、自分に合ってなくてすぐ辞めたというケースもあります。
その人が持つ知識や経験や能力を客観的に判断する材料になる点が良いと思います。

「私は○○ができます。」というだけではなく、「○○という資格があって、仕事ができます。」というのでは就職するときなど採用側に与える印象が違います。

また、資格を必要とする仕事は、出産や育児などで一定期間離職することがあっても復職しやすいのも良い点です。

資格取得のために勉強することで専門的な知識に接することも多くあるので、単に経験から学んだことよりも知識に幅が出る点が良いと思います。
資格取得のためにかなりの時間とお金を費やすのに、それが使えない、もしくは持っていないほうが良かったということも起き得る点が良くないと思います。

会社によっては求める人材が、それ以上でも以下でもないことを求める場合があります。それによって会社が支払わねばならない給与が変わる場合などがそうです。

予算内で特定の仕事ができる人材を探している場合、一番レベルの高い人が採用されるわけではありません。オーバークオリファイドが原因で不採用になるくらいなら資格を持っていないほうが良い場合もあります。