メリット デメリット
語学力の向上 キャリアに空白ができることがある
国際的な人脈が広がる 語学力が思うほど伸びない場合も
異文化体験ができる 不安定な就労環境
海外での就労経験が得られる 生活費が想定より高い
自立心が養われる 病気やケガに対応しにくい
旅行も自由にできる 孤独を感じやすい
海外移住や就職の足掛かりになる ビザの期限が限られている
日本での就職活動に活かせる 帰国後の再就職に苦労することも
費用を抑えて長期滞在できる 悪質な雇用主に当たるリスク
人生観や価値観が広がる 目的が曖昧だと無駄になる恐れ

ワーキングホリデーのメリット

上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。

語学力の向上

ワーキングホリデーでは、英語圏などの国に滞在することで、日常生活や仕事の中で実践的な語学を使う機会が豊富にあります。語学学校に通うだけでなく、現地の人々との会話や職場でのやり取りなどを通して、自然とスピーキングやリスニングの能力が磨かれていきます。特に、自分の生活を自力で成り立たせる中で、必要に迫られて語学を使う環境は、机上の学習よりもはるかに効果的です。また、語学に対する苦手意識を克服できることも大きな利点です。努力次第で、帰国後にはビジネスでも通用する語学力を身につけることも可能です。

国際的な人脈が広がる

ワーキングホリデーでは、現地の人々だけでなく、同じように世界中から来ている若者たちと出会う機会があります。語学学校、シェアハウス、アルバイト先、旅行先などで築かれる友人関係は、国境を越えたつながりとして今後の人生に大きな影響を与えることもあります。将来的に海外で働いたり、ビジネスを展開したいと考える場合、こうした人脈は貴重な財産になります。SNSなどを通じて関係を保つことで、国際的な視野を持ち続けることが可能となり、グローバルな考え方を育てる土台となるでしょう。

異文化体験ができる

ワーキングホリデーでは、食事、住居、マナー、価値観など、日本とは異なる文化に直接触れることができます。現地の人々の生活に溶け込むことで、旅行だけでは分からない細かな文化の違いや習慣を体感できます。例えば、カフェ文化が根付いた国では毎朝カフェに立ち寄る習慣があったり、食事のとり方や祝日の過ごし方なども異なります。こうした経験は、自国の常識を客観視し、柔軟な思考力や異文化理解力を育むきっかけとなります。多様性を受け入れる姿勢が自然と身につくのです。

海外での就労経験が得られる

ワーキングホリデーでは、現地で実際に働くことができるため、海外の労働環境や文化に直接触れる貴重な経験が得られます。カフェやレストラン、ホテル、農場、ベビーシッターなど、職種は多岐にわたります。接客業では英語でのコミュニケーション能力を磨くことができ、農業や清掃業では体力や勤勉さが試されます。日本とは異なる働き方や職場の人間関係に触れることで、適応力や柔軟性も高まります。このような経験は、帰国後の就職活動においても一つの強みとしてアピールできる要素となるでしょう。

自立心が養われる

日本を離れ、一人で生活し、仕事をしながら日々を過ごすワーキングホリデーの経験は、自然と自立心を育ててくれます。住まい探しや職探し、銀行口座の開設、公共交通機関の利用、日常の買い物など、すべてを自分でこなさなければならない環境に身を置くことで、問題解決能力が高まり、自分に自信がつくようになります。また、言葉や文化の壁を乗り越える過程で精神的にも成長でき、困難に立ち向かう力が身につきます。これらの経験は、将来どんな場面でも活かせる「生きる力」となるのです。

旅行も自由にできる

ワーキングホリデーの大きな魅力の一つは、「働きながら旅行も楽しめる」自由度の高さです。ビザの性質上、労働も観光も許可されており、滞在期間中に仕事で資金を稼ぎつつ、長期旅行を計画することが可能です。例えば、数ヶ月働いて貯金した後に、数週間かけて国内を周遊したり、隣国への小旅行に出かける人も多くいます。観光地を表面的に見るだけでなく、現地の人の案内でローカルな体験をしたり、自分の足で歴史や文化を深く知ることができます。働くことと遊ぶことをバランスよく取り入れられる点は、ワーホリならではの大きな魅力です。

海外移住や就職の足掛かりになる

ワーキングホリデーでの滞在が、自分に合った国やライフスタイルを発見するきっかけとなり、将来的な海外移住や海外就職につながるケースも少なくありません。現地での生活を通じて、その国の社会や価値観に共感し、「もっとここに住み続けたい」と考えるようになる人も多いのです。実際にワーホリ後に学生ビザや就労ビザへ切り替えて滞在を延長する例も多く、また現地企業とつながりができればそのまま雇用される可能性もあります。ワーキングホリデーは、将来的な海外進出への「第一歩」として非常に有効です。

日本での就職活動に活かせる

ワーキングホリデーの経験は、帰国後の就職活動においても一つの強みとなります。特に、グローバル展開を行っている企業や、柔軟性や自立性が求められる職種では、海外生活を通じて培った経験が高く評価される傾向があります。語学力や異文化対応力はもちろん、海外での労働経験やトラブル解決能力、自分で考えて行動する力など、さまざまなスキルが「即戦力」として期待されます。ただし、それをしっかり言語化して伝える力も必要です。単なる「旅行気分」ではなく、目的意識を持って行動していたことをアピールすることで、評価されやすくなります。

費用を抑えて長期滞在できる

一般的に海外に長期滞在するには、語学学校や留学の学費、生活費など多額の費用がかかりますが、ワーキングホリデーでは、現地での就労が認められているため、生活費の一部または全額を自分でまかなうことが可能です。これにより、経済的負担を抑えながら海外生活を実現できます。渡航前にある程度の資金準備は必要ですが、学費のかかる留学とは異なり、滞在中の出費が最小限に抑えられるのは大きな利点です。特に若いうちに「少ない投資で大きな経験」を得られる手段として、非常にコストパフォーマンスの良い制度と言えるでしょう。

人生観や価値観が広がる

異なる国や文化での生活は、自分自身の価値観や人生観に大きな影響を与えます。日本では当たり前とされることが他国ではそうでないことも多く、そうした違いに直面することで、自分の固定観念に気づいたり、新しい考え方を受け入れる柔軟性が生まれます。例えば、「働くこと」や「家族との関係」「時間の使い方」に対する考え方が大きく変わることもあります。ワーホリを経て、自分が本当に大切にしたいものや、自分らしい生き方に目覚める人も少なくありません。人生の選択肢を増やす意味でも、ワーキングホリデーは大きな価値を持っています。

ワーキングホリデーのデメリット

上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。

キャリアに空白ができることがある

ワーキングホリデー中の1年間は、企業によっては「正規の職歴」とみなされず、就職や転職活動の際に「空白期間」として扱われることがあります。特に日本の企業文化では、連続した勤務歴が重視されることが多く、ワーホリの経験が必ずしもプラスに評価されるとは限りません。もし、働いた内容が日本でのキャリアに直結しない場合、その経験の意義を十分に説明できないと、「遊んでいたのではないか」と誤解されることもあるため注意が必要です。自分の中で目的を明確にし、経験の価値をしっかり言語化できる準備が求められます。

語学力が思うほど伸びない場合も

ワーキングホリデーに参加しても、期待したほど語学力が伸びないケースもあります。原因としては、日本人同士でつるんでしまうことや、日本語環境の職場(日本食レストランなど)で働くことにより、現地の言語を使う機会が限られてしまうことが挙げられます。また、積極的に現地の人と交流しない限り、日常会話以上の語彙や表現力を習得するのは難しく、表面的な語学力にとどまることもあります。語学力を本気で伸ばしたい場合は、日々の行動や人間関係の築き方に意識を向ける必要があります。

不安定な就労環境

ワーキングホリデーでの仕事は、短期アルバイトやパートタイムが中心で、正規雇用に比べて収入や待遇が不安定なことが多いです。業種によっては収入が最低賃金ギリギリであったり、雇用主との契約が曖昧だったりすることもあります。また、職を探すのに時間がかかる場合もあり、生活費を削らざるを得ない状況になることも。語学力やスキルが不足していると、条件の良い仕事に就けず、労働条件が過酷な仕事に限定される場合もあります。安定した収入を期待せず、ある程度のリスクを見越して準備することが重要です。

生活費が想定より高い

ワーキングホリデーでは働いて収入を得ることができるものの、現地の生活費が高く、思った以上に出費がかさむことがあります。特に、家賃や食費、交通費は都市部であればあるほど高く、安定収入が得られない状況では貯金が一気に減るリスクもあります。収入に期待して事前資金を十分に用意しないまま渡航すると、生活が困窮してしまうケースもあります。予想外の出費(病気、引っ越し、ビザ延長手続きなど)に備え、余裕のある資金計画と現地での節約術が求められます。

病気やケガに対応しにくい

海外での病気やケガは、言語の壁や保険制度の違いにより、対応が非常に困難になることがあります。公的医療保険が使えず、現地の医療費が非常に高額であるケースも多いため、事前に保険加入しておかないと、治療費が生活を圧迫する可能性があります。また、言葉が通じず、自分の症状を正確に伝えられないことで、診断ミスや治療の遅れにつながるリスクもあります。信頼できる医療機関や緊急連絡先をあらかじめ調べておくとともに、医療通訳アプリなどの活用も有効です。

孤独を感じやすい

家族や長年の友人から離れた異国での生活は、孤独感を覚えやすいものです。特に渡航初期には言語や文化の違いに適応できず、コミュニケーションもままならないことで疎外感を感じることがあります。また、現地の人と深い関係を築くには時間がかかるため、「話し相手がいない」「誰にも頼れない」と精神的に不安定になることもあります。うまく気持ちを整理できないと、ホームシックに陥ったり、鬱状態に近づくリスクもあります。積極的に交流の場に参加するなど、心のバランスを保つ工夫が必要です。

ビザの期限が限られている

ワーキングホリデービザは、多くの国で原則として1年間の有効期限が設けられており、原則として延長はできません(一部の国では条件付きで延長可能な場合もあります)。そのため、長期的な滞在やキャリア形成を目的とした行動には限界があります。たとえば、「ようやく仕事に慣れた」「現地に馴染んできた」と感じる頃に帰国の時期が迫ってしまうことも少なくありません。このように時間に制約があるため、計画的に行動しなければ満足な成果を得られないリスクがあります。また、気に入った国に長く住みたい場合は、別のビザへの切り替え手続きを事前に検討しておく必要があります。

帰国後の再就職に苦労することも

ワーキングホリデーから帰国後、日本の就職市場にスムーズに戻れない人もいます。特に、若年層の新卒採用中心の日本社会では、「ワーホリをしていた」というキャリアが採用枠に合わないとみなされることもあるのです。また、ワーホリ中に得た職種やスキルが、日本の職場で活かしにくい場合もあり、そのギャップに悩まされることがあります。さらに「遊びに行っていただけでは?」という偏見を持たれることもあるため、自分の経験の意義をきちんと説明し、企業に理解してもらう準備が必要です。帰国後の就職活動には、戦略的な自己PRが求められます。

悪質な雇用主に当たるリスク

ワーキングホリデーでは、労働条件が必ずしも整備されていないアルバイトや短期労働に従事することが多く、時には違法な労働条件や搾取的な雇用に巻き込まれるリスクも存在します。特に語学力が不十分な初期には、契約内容を十分に理解できなかったり、労働条件の交渉が難しかったりするため、都合よく使われてしまうケースも見られます。実際に「時給が低すぎる」「賃金未払い」「休憩なしの長時間労働」といった問題も報告されています。こうしたトラブルを避けるには、事前に情報収集をしっかり行い、信頼できる紹介先や現地の日本人コミュニティからの評判を確認することが大切です。

目的が曖昧だと無駄になる恐れ

ワーキングホリデーの自由度の高さは魅力ですが、それゆえに目的意識が曖昧なまま渡航すると、「何をしに来たのか分からないまま時間だけが過ぎる」という事態にもなりかねません。特に、「とりあえず海外に行ってみたい」といった漠然とした動機だけで行動を始めると、現地での行動が受け身になり、語学習得もスキルアップも中途半端な結果に終わってしまうことがあります。帰国後、「楽しかったけど何も身についていない」と後悔しないためには、出発前に目的を明確にし、どんな経験を得たいのか、どんな生活を送りたいのかを具体的にイメージすることが大切です。

みんなの意見

賛成意見 反対意見
ワーキングホリデーは留学と違って勉強だけではなく、海外で働くという貴重な経験ができる点が最大のメリットだと思います。

ビザ申請時もそれほど貯金残高も高額は必要ないのでお金がかかる留学とは大きく異なります。現地で資金不足になった場合は、日本食レストランやカフェ、その他で働きお金を得ることができます。

必ずしも働く必要はないので働くもよし、勉強するもよし、遊ぶもよしです。資金に余裕があればこの上なく自由が得られます。現地での生活でその国の言語も多少なりとも身につくのが良いと思います。
ワーキングホリデーの職歴は、帰国後の就職に高評価されるかといえばされないと思います。なぜならワーキングホリデー=遊学というイメージが強いからです。

現地での生活でどれだけ貴重な体験をし、自分自身に得たものが大きいかどうかはその人自身を表すように人間性でアピールするのがよいと思います。

どんな困難も積極性やサバイバル精神で必ず打ち勝つような強さを養った等、ワーキングホリデーに行ってどのように変化したのかをアピールする方が良いでしょう。

ビザは比較的自由に住めますが、制約もあります。年齢制限や滞在期間、同じ国には一回しか行けない等の制約があるのでワーキングホリデーに行きたいと目覚めた時の年齢によっては、ビザ申請できない国も出てくるので注意が必要です。
良い点は、現地で働くことが出来るため、留学ほどの予算を持っていかなくても生活できるという面です。

私は、ワーキングホリデー制度を利用したことがあるのですが、現地で仕事を探すのも難しくないので、生活費は現地で調達することができます。

また、沢山の国の人たちと友達になれるということも良い点です。日本にいたら出会えることのなかった国の人たちと出会い、語り合い視野を広げることが出来ます。

また、他の国の友だちだけではなく、日本の友だちもたくさん作ることが出来ます。帰国してからも友情関係は続き、遊びに行ったり遊びに来たりという関係をずっと続けることが出来ます。
もっとも考えなければならない点は、帰国後の就職先ではないでしょうか。

ワーキングホリデーで楽しい生活をして帰ってみると、仕事がなかなか見つからないという友達を何人も見てきました。目的意識や計画を立ててワーキングホリデーにのぞむことが大切なことだと思います。

大抵の人は、英語を話せるようになりたいという目的を持って日本を離れると思いますが、こればかりは、自分がどうやって過ごすかということにかかってくると思います。

日本人同士でいつも固まり、日本と同じような生活をしていたのでは、何も学べることはできません。
ワーキングホリデー経験者としてこの制度の良さは自分の視野を広げる最高の機会をもらえるところだと思います。全くの異文化で自分の体一人でやって行く。現地で体験した事は一生の宝物となります。

様々な国の人々と一緒に現地で行ったアルバイト体験も日本ではできないことだと思います。

絶対に現地で働かなければならないということはなく、アルバイトもやってもやらなくても良いので、お金に困ったら働くといったスタンスで、基本的に旅行を楽しむということも可能な点も良いと思います。

行く前と行った後では考え方が変わり、何事にもポジティブに考えられるようになりました。
制度自体の良くないと思う点は年齢制限があるところです。日本の社会の場合、30歳が一つの節目となっていることは確かです。

例えば転職。30歳を過ぎて仕事を辞め、1年間ワーキングホリデーに行ってきても次の仕事が見つかりにくいと思いますし、行った事による経験も再就職の際に重要視されないというのが現実でしょう。

しかし、将来的に現地で何かを始めようと思う人にはワーキングホリデーは良いチャンスになると思います。

脱サラして現地に行こうと思っても年齢制限がある。ある程度余裕のある人というのは年齢制限より少し上の年齢の人達だと思います。そんな彼らのチャンスを無くしてしまうのは勿体ないと思います。
私は20代半ば頃、それまで勤めていた会社を辞め、ワーキングホリデーで1年間ニュージーランドへ行きました。ワーキングホリデーの良いところは各国から来た色々な人種の人たちと、気軽に話し合え、寝泊りできるところです。

ワーキングホリデー利用者は、旅費を安く抑えるためにバックパッカーズなどの安宿を利用することが多いのですが、そうした宿では数名で部屋をシェアすることがほとんどです。

なので、日本にいるだけでは経験し得ないことができる点では、ワーキングホリデーはとても良いと思います。
私がワーキングホリデーの悪いと思うところは、とかく日本人でかたまりすぎている人たちがいることです。

日本人だらけの安宿というところも実際にあって、そうした人たちの話を聞くと日本や日本人の悪いところをこれでもかとばかりにしゃべるのでした。

まるで自分たちが日本人ではないかのような意見に、私は場違いも甚だしいと感じてしまったのですが、このように海外で日本人同士の集団を作るというのは、日本にいる以上に世界を狭くしているような気がします。

こうした場としてのワーキングホリデーというのは良くないと思います。