ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略で、日本ではよくZEH住宅と表現されます。

簡単に言ってしまうと「創るエネルギー量が、使うエネルギーと同じもしくはそれ以上である住宅」のことです。

高断熱高気密にすることで冷暖房等の使用量を少なくし(=エネルギー使用量を抑える)、太陽光発電を始めとした様々なエネルギー設備によって発電を行います(=エネルギーを創る)。

このようにして、従来と同様もしくはそれ以上の室内環境の質を維持しながら、エネルギー使用量の収支がゼロになることを目的とした住宅です。

政府が推進しているため、大手ハウスメーカーを中心に多くのハウスメーカーや工務店がZEH住宅の施工を行っていて、現在新築で建てられている住宅の中にも、ZEH住宅はたくさんあります。

外見からは一般住宅とZEH住宅の見分けが付かないため実感しにくいですが、住宅展示場やモデルハウスなどを見ても、ZEH住宅の人気の高まりを感じられます。

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積水ハウス

積水ハウスのZEH住宅は「グリーンファースト ゼロ」と名付けられています。

ZEH住宅の施工実績は2022年時点の累計で5万棟もあり、2018年の新築戸建てのZEH住宅比率は79%という高い数値を記録。ZEH住宅比率が90%を超える支店も複数ありました。

ZEHビルダーは日本全国に数多く存在しますが、その中でもトップクラスの実績があり、ZEH住宅を建てる際の有力な候補になること間違いなしです。

ZEH住宅や光熱費の大幅削減に興味がある方は、ぜひ積水ハウスも選択肢に入れて検討してみてください。

ダイワハウス

ダイワハウスのZEH住宅は「スマ・エコ ゼロエナジー」と名付けられています。

ダイワハウス独自の外張り断熱通気外壁と、窓に採用されているアルミ樹脂複合断熱サッシと高断熱複層ガラスによって断熱性を高めています。

さらに、高効率給湯器やオートブレスと呼ばれる冷暖房の効率を高める換気システムなどを導入し、省エネ性能も非常に高いものとなっています。

新築に対するZEH住宅の比率は2018年度が28%(実績)、2019年度は50%、2020年度は55%(共に目標)と発表されています。

同じくハウスメーカー大手の積水ハウスやセキスイハイムが70%超であることを考えると、業界を引っ張るリーディングカンパニーとしてはちょっと控えめの数値とも言えます。

セキスイハイム

数あるハウスメーカーの中でも、昔からエネルギーへのこだわりが強かったのがセキスイハイムです。太陽光発電への取り組みも非常に早く、エコや省エネなどの観点からの評価もとても高いハウスメーカーでした。

そんなセキスイハイムでは、ZEH住宅はもちろんのこと、ZEHのさらに先を行く「エネルギー自給自足型住宅」も提案できます。

既に新築戸建てのZEH比率は70%を超えているため、今後は現在はZEH住宅だけではなく、エネルギー自給自足型住宅にも注目が集まりそうです。

住友林業

住友林業のZEH住宅はGreen Smart(グリーンスマート)というブランドで販売されています。

1枚ガラスの5倍以上も断熱性が高くて熱を通しにくい「Low-E複層ガラス」を採用し、北海道から九州まで国のZEH基準を上回る耐熱性能を実現。

涼温房(りょうおんぼう)と呼ばれる設計で、夏は家の中を涼しく保ち、冬は家の中を暖かく保ちます。

そこに最新の省エネ機器も加わるため、光熱費収支をプラスにすることも夢ではありません。

住友不動産

住友不動産のZEH住宅にはエネルギー使用量0を実現するための様々な工夫が凝らされています。

省エネ性能を上げるために高断熱構造でありながらも、遮熱シートやアルミ樹脂複合断熱サッシなどでさらに断熱性を高めています。そして、太陽光発電と蓄電池の組み合わせで光熱費を大幅に削減。

消費電力や発電量も目で見て分かるHEMSも導入することで、節電意識も高めてくれます。

ヘーベルハウス

へーベルハウスのZEH住宅は「ロングライフZEH」と名付けられています。

旭化成独自の高性能断熱材ネオマフォームと、一般的なコンクリートの10倍もの断熱性能を持つALCコンクリート・へーベルを採用したヘーベルハウスの断熱性能は、標準仕様でもZEH基準を満たすほどの高さとなっています。

そして、ロングライフ・エコ換気システムⅡで室内の環境を快適に保ち、HEBEL HEMSでエネルギー使用量を最適化します。

もちろん屋根には太陽光発電を搭載しますが、なんとヘーベルハウスの屋上防水は30年もの耐用年数があり、長い間にわたって安心して発電を行えるという点も魅力的です。

ミサワホーム

世界で初めてゼロ・エネルギー住宅を発売し、そしてZEH住宅の施工実績も豊富なミサワホーム。

そんなミサワホームのZEH住宅は「SMART STYLE H」「SMART STYLE S」「HYBRID ゼロエネルギーモデル」の3つが主力商品となっています。

ただ、ハイグレードな木造住宅「CENTURY」や、比較的安価でコストパフォーマンスに優れた「GENIUS」などのシリーズもZEH基準に対応できるため、デザインや間取りの自由度も高いです。

ミサワホームの家は家中まるごと高断熱の住まいとなっているため、断熱性能も省エネ性能も高いほか、工場で部材や部品を作る高度工業化住宅であることから、品質もぶれがなく、しっかりとしています。

一条工務店

一条工務店では主力商品の「アイ・スマート」と「アイ・キューブ」をZEH仕様にできます。

一条工務店ではZEH住宅とは言わず、超省エネと超創エネでこれまでのZEH基準を大幅に上回る「超ZEH」と名付けています。

高性能ウレタンフォームと防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシでZEH基準の2倍以上もの断熱性能を実現し、「夢発電システム」と呼ばれる一条工務店の大容量太陽光発電で大きな売電収入を得ることも可能です。

国の定めるZEH基準通りに建てた一般的なZEH住宅と比較しても、冷暖房にかかる費用は年間で9万もの違いが出るほどで、まさにZEHを超えた「超ZEH」と言えます。

三井ホーム

三井ホームでは、オーダーメイド型のZEH住宅「グリーンズゼロ」を提供しています。グリーンズゼロなら、一般的なZEH住宅と比べて、さらに30%ほどのエネルギー収支改善(削減)を実現することが可能です。

もともと三井ホームの断熱性能はUA値0.43と非常に高く、ZEH基準0.6を上回っています(UA値は数値が低いほど断熱性が高いことを表します)。

そこに健康快適空調「スマートブリーズ」を装備し、さらに太陽光発電システムやHEMSなどのエネルギー設備を導入することで、完全なZEH住宅となりました。

なお、グリーンズゼロは北海道と沖縄を除く全国で施工可能となっています。

パナソニックホームズ

パナソニックホームズのZEH住宅はゼロエコ(ZERO ECO)と名付けられています。

基礎の内側まで断熱材を用いる「家まるごと断熱」に加え、地熱を活用した「エコナビ搭載換気システムHEPA+」など、家の中を快適に過ごすための工夫がなされています。

また、家電大手のパナソニックグループである強みを活かして、パナソニック製の蓄電池やHEMSやエネファームなどといったエネルギー設備もスムーズに導入できます。

ちなみに、パナソニックホームズでは戸建て住宅のみならず、ZEH対応の賃貸併用住宅や賃貸専用住宅も施工可能です。

タマホーム

タマホームのZEH住宅は「大安心の家 ZERO」と名付けられています。

こちらのZEH住宅はタマホームの主力商品である「大安心の家」をベースにしてZEH住宅化したもので、躯体は「大安心の家」と同じですが、断熱性に大きく関わってくる窓やドアなどの開口部の断熱性が高められています。

また、ZEH住宅のデメリットである価格面もローコスト住宅メーカーのタマホームなら心配いりません。

1600万円前後から建てられるうえ、太陽光パネルと蓄電池を合わせた「リース&レンタルサービス」を利用することで、高額になりがちな太陽光パネルと蓄電池も初期費用を抑えて導入可能となっています。

トヨタホーム

トヨタホームでは、ZEH住宅の施工が可能です。窓やドアなどの開口部の断熱性能を強化することで、断熱性能が非常に高い住宅となっています。

そして、オリジナル全館空調システム「スマート・エアーズ」でむだを抑えて、更なる省エネを実現しています。

太陽光発電に欠かせないトヨタホームの太陽光パネルは15年の長期保証もついていて、安心して長期間ZEH住宅に住み続けられます。

ZEH住宅のメリットデメリット

ZEH住宅のメリットとデメリットを7つずつ挙げてみました。

最大のメリットはやはり「光熱費削減」と「非常時の電力利用」の2点です。

太陽光発電の発電量次第では、売電額が光熱費を上回って、プラス収支になることもあります。そして、蓄電池やエネファームなどの活用により、地域的な停電が起きても電力を使えるというメリットも見逃せません。

逆にデメリットとしては「初期費用の高さ」と「間取りの制限」の2点が代表的なものとなっています。

ZEH住宅は高断熱高気密であるために高価な素材を使う必要がありますし、太陽光発電などのエネルギー設備も総額で100万円以上かかります。

また、高断熱高気密を実現するために開口部(窓やドアなど)のサイズは限られますし、ソーラーパネルを設置するために屋根の形状にもある程度の制限がかかります。

メリット デメリット
光熱費をかなり抑えられる 普通の注文住宅よりも価格が高い
非常時にも電気を使える 窓やドアなどの開口部のサイズに制限がある
自動で消費エネルギーの最適化を行える 発電量は不安定
資産価値の高い状態が続きやすい 売電価格が下落している
断熱性が高くて家の中の温度差が小さい(ヒートショック予防になる) 屋根の形に制限がある
地球環境に優しい エネルギー設備のメンテナンスに費用がかかる
補助金制度を利用できる ZEHビルダーに登録されたハウスメーカーや工務店で建てた場合のみ、補助金対象となる

ZEH住宅に導入されるエネルギー設備

ゼロエネルギーを実現するためには様々なエネルギー設備が必要となります。こちらで挙げているものすべてが必ずしも導入されるわけではありませんが、ほとんどがZEH住宅に装備されています。

なお、一部の混同されやすい設備に関しては「エネファーム・エコウィル・エコジョーズ・エコキュートの違い」というページも設けて詳しく解説しています。

設備 解説
太陽光発電 屋根にソーラーパネルを設置して発電を行います。発電して余った分は電力会社に売電できます。
蓄電池 電気を貯めておく設備です。太陽光発電と組み合わせて導入されることも多いです。
エネファーム 発電と給湯を同時に行う設備です。ガスを使用しますが、光熱費削減に大きな役割を果たします。
エコキュート 省エネ型の電気給湯機です。オール電化住宅に欠かせない設備の一つです。
エコジョーズ 省エネ型のガス給湯器です。ガス使用量の削減に役立ちます。
HEMS 電力・ガス・水道といった家庭内のエネルギー消費を最適化するシステムです。
IHクッキングヒーター 火を使わない調理器具です。オール電化にする場合、必須の設備となります。
オール電化 ガスを使わずにすべて電気でまかなう家のことです。給湯はエコキュートや電気給湯器、調理器具はIHが採用されます。
コレモ 発電と暖房を同時に行う省エネ設備です。北海道や東北などの寒冷地限定となっています。
電気自動車(EV) ガソリンではなく、電気で動く自動車です。家に駐車している間は蓄電池としても活用できます。
エコウィル ※2017年に販売終了

電気料金・ガス料金の節約方法

ZEH住宅にすることで光熱費は間違いなく安くなりますが、エネルギーの自足自給化をより進めるために、光熱費の節約方法をご紹介します。

特に「電気代が高い…」「ガス料金がもう少し安くなったらなぁ…」とお悩みの方は、まずは電力会社とガス会社を見直してみましょう。

2016年に電力自由化が始まり、翌2017年には都市ガスの自由化が始まりました。

もともとプロパンガス(LPガス)は自由化されていましたので、これで電気もガスも全面的に好きな事業者と契約できるようになりました。

他のどんな節約方法よりも効果的で、しかも誰でもすぐに簡単にできることですので、当ページの情報を参考に、一度電力会社とガス会社を見直してみてください。

電気とガス、それぞれの節約方法を以下にまとめました。気になる水道光熱費の相場もご紹介しています。

注文住宅&お金で後悔しないために

注文住宅を建てるにあたって、後悔しないための重要なポイントが3つあります。それは…

  • 複数の会社から資料をもらって各社の特徴を掴むこと
  • 複数の会社から見積もりをもらって総費用を比較すること
  • 多くの間取りプランを見比べて、間取りアイデアを盗むこと

お金に関して言うと、同じような間取りプランでもハウスメーカーによって500万円以上もの差がつくこともありますので、相見積もりは必須です!

間取りに関しても、これまで気付かなかったすてきな間取りプランを参考にすることで、家づくりが一気に進むので非常におすすめです。

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