注文住宅の費用相場と、予算別に見た注文住宅のグレードや選択肢の違いをご紹介します。
土地の価格は地域差が非常に大きいのですが、建物自体は地域による価格差はがほとんどありませんので、建物の予算の目安となる1000万円台・2000万円台・3000万円台・4000万円台という区切りで、まとめてみました。
「実際のところ、注文住宅を建てるのにいくらくらいかかるのだろう?」「考えている予算内でどの程度の家が建つのだろう?」とお悩みの方、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅の費用相場
フラット35でお馴染みの住宅金融支援機構から「注文住宅の建設にかかる全国の費用相場は約3312万円」で、「土地付きだと約3955万円」という調査結果が出ています。
全国平均の床面積は129.4平米で、土地付きだと113.3平米となっています。
つまり、土地を既に持っている場合は3300万円で、土地と注文住宅を同時に購入する場合は3955万円で、平均的な大きさの家を手に入れられるということになります。
もちろん、都道府県や地域によって差はありますが、これらの数値が注文住宅の建築費用の相場となるかと思います。
床面積 | 建築費(土地別) | |
---|---|---|
全国 | 129.3平米 | 3308万円 |
首都圏 | 127.2平米 | 3593万円 |
近畿圏 | 130.5平米 | 3436万円 |
東海圏 | 132.0平米 | 3405万円 |
その他地域 | 129.2平米 | 3106万円 |
(数値出典:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査)
予算別の注文住宅のグレード目安
注文住宅の費用目安をご確認頂いたところで、ここからは建築費用別に建てられる家の目安をご紹介したいと思います。
当然ながら、予算があればあるほど、品質も自由度も高い家を建てられますが、予算が小さいからと言って注文住宅をあきらめなければならないなんてことはありません。
ハウスメーカーも工務店も1000万円前後で建てられる家を始め、「2000万円~・3000万円~・4000万~」などといった具合に、幅広い価格帯のプランを用意しています。
ちなみに、前述のとおり、土地代を除いた注文住宅の建設費用相場は全国平均で3300万円ほどですので、ハウスメーカーも工務店も2000万円台・3000万円台のプランが充実している傾向にあります。
なお、床面積が大きくなればなるほど費用も増加しますので、こちらでは全国平均の床面積120~130平米の注文住宅を想定して、考えてみたいと思います。
1000万円台の家
いわゆるローコスト住宅に分類される1000万円台の家ですが、若くして注文住宅を手に入れたいという方や、住宅ローンを早く返済してしまいたいなどといった方から人気があります。
注文住宅とはいえども、設計の自由度は低く、基本的にはパッケージになっているプランに多少の変更点を付け加える程度となります。
注文住宅は複雑な形やデザインになるほど建築費が高くなるため、1000万円台の家は正方形や長方形の形をしていて、内装も外観もシンプルに仕上がっていることが多いです。
間取りに凝ったり、高級な素材を使用することはできませんが、シンプルということは裏を返せば、家具の色合いや配置によってより自分好みの空間を作り上げられるとも言えます。
なお、ローコスト住宅だと、コストカットのために建材が粗悪だったり、工事が手抜きだったりといったリスクがまったく無いとは言い切れません。
そのようなリスクを避けるためにも、名の知れたハウスメーカーや評判のいい工務店を選ぶようにしましょう。
1000万円台の注文住宅を建てられる主なローコスト住宅メーカー
1000万円台で施工を請け負っているハウスメーカーや工務店は、それほど多くありません。一般的に坪単価が「30万~50万円」ほどのローコスト住宅メーカーが選択肢となります。
アイフルホーム | アエラホーム |
アキュラホーム | 穴吹工務店 |
クレバリーホーム | タマホーム |
2000万円台の家
1000万円台の家と比べると、やれることがぐんと増えます。
家の外観にこだわってみたり、要所要所に高級な素材を使ってみたり、ジャグジー付きバスユニットやシステムキッチンなどといった高機能設備を配置してみたりと、希望も色々と出てくるはずです。
ただ、「注文住宅を建てるのだから希望は全部叶えたい!」と意気込んであれこれ詰め込んだ結果、予算をオーバーしてしまった…なんてことも起きやすい価格帯でもあります。
そのため、内装と外装はシンプルにして、その分、キッチンやバスルームにお金をかけるなどといった工夫が必要です。
各種設備や内外装はもちろんのこと、ドアや窓などといった細かな部分もそれぞれグレードで分類されていますので、自分が特に必要だと思う部分のグレードを上げることが、2000万円台で満足のいく注文住宅を建てる成功の秘訣です。
2000万円台の注文住宅を建てられる主なハウスメーカー・工務店
2000万円台の予算があれば、いわゆるローコスト住宅メーカーではないハウスメーカーや工務店も選べます。坪単価の目安は「40万~60万円」ほどです。
アイフルホーム | アエラホーム |
アキュラホーム | 穴吹工務店 |
クレバリーホーム | タマホーム |
菊池建設 | 木下工務店 |
住友不動産 | セルコホーム |
日本ハウスホールディングス | |
フジ住宅 | 細田工務店 |
ヤマダホームズ | ユニバーサルホーム |
3000万円台の家
2000万円台の家なら我慢しなければならなかった部分を、ある程度は我慢せずに建てられるのが3000万円台の家です。
先述のとおり、注文住宅の建設費用は3300万円ほどが全国平均となっていますので、3000万円台前半であれば世間的に見ても平均的なグレードの家を建てられますし、3000万円台後半であれば一般的にグレードの高い家と言えます。
建材や設備を標準のものからグレードアップさせたり、家の中に吹き抜けのリビング階段を作ったりと、様々な希望を叶えられ、人気のある価格帯です。
ただし、3000万円台後半でも、希望を詰め込むあまり、予算オーバーになるということが少なくありません。ハウスメーカーや工務店の担当者と相談して、予算内でできることとできないことを明確に把握しておくようにしましょう。
また、「坪単価の高いハウスメーカーの標準プランにするか、坪単価の安いハウスメーカーのグレードアッププランにするか」などといった悩みも出てきます。
選択肢が増えることによって考える時間が長くなりがちな価格帯でもありますので、ライフプランを家族ともじっくり話し合った上で決めるようにしましょう。
3000万円台の注文住宅を建てられる主なハウスメーカー・工務店
3000万円台の予算があれば、大手ハウスメーカーでも十分に検討対象となります。また、木造住宅よりも高額にはなりますが、鉄骨造住宅も視野に入れてもいいかもしれません。坪単価の目安は「50万~80万円」ほどです。
アイフルホーム | アエラホーム |
アキュラホーム | 穴吹工務店 |
クレバリーホーム | タマホーム |
菊池建設 | 木下工務店 |
住友不動産 | セルコホーム |
日本ハウスホールディングス | |
フジ住宅 | 細田工務店 |
ヤマダホームズ | ユニバーサルホーム |
旭化成ホームズ | 一条工務店 |
サンヨーホームズ | 住友林業 |
スウェーデンハウス | セキスイハイム |
積水ハウス | 大成建設ハウジング |
ダイワハウス | 土屋ホーム |
トヨタホーム | パナソニックホームズ |
ミサワホーム | 三井ホーム |
三菱地所ホーム |
4000万円以上の家
全国平均が3300万円であることを考えると、建築費に4000万円以上かけられるというのは、希望の注文住宅を建てる上で大きな強みとなります。
家に対するこだわりが強い方でも納得のいく家を建てられるはずです。
建材の使用量が多くなりがちな中庭付きの家や、外壁面積が多くなりがちな凹凸のあるデザインも選択可能です。
家の内部に関しても、高性能な設備を色々と設置できるほか、高級素材として知られる漆喰をたっぷり使うなど、3000万円台までだと難しかったことに手を出せるようになります。
予算内に抑えるということを強く意識することが必要ないため、家に対してあきらめなければならないというポイントもあまりないでしょう。
4000万円台の注文住宅を建てられる主なハウスメーカー・工務店
3000万円台と同様、当サイトでご紹介しているすべてのハウスメーカーと工務店から選べます。
ローコスト住宅メーカーでも、最上級グレードや高額なオプションをたくさん付ければ4000万円を超えてくることはありますが、予算にゆとりがありますので、大手や特別な技術をもっているハウスメーカーがおすすめです。