メリット デメリット
クリーンエネルギーである 風が吹かなければ発電できない
再生可能エネルギーで枯渇しない 発電量が天候に左右されやすい
燃料コストが不要 景観を損なうという声がある
発電所の運転コストが比較的低い 騒音や低周波音の問題
土地の有効活用ができる 野鳥やコウモリの衝突が懸念される
地域経済の活性化につながる 建設コストが高い場合がある
発電までの期間が比較的短い 送電インフラが必要になる
輸入エネルギーへの依存を減らせる 台風や雷など自然災害への耐性が課題
技術の進歩により発電効率が向上している 立地選定に時間がかかる
洋上風力により設置可能場所が増加 資源回収や廃棄の課題

風力発電のメリット

上の表に出てきた各メリットについてかんたんに解説します。

クリーンエネルギーである

風力発電は、発電の際にCO2や有害物質を一切排出しない点で、地球温暖化や大気汚染の防止に大きく貢献するクリーンエネルギーです。従来の火力発電は、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を燃やすことで大量の温室効果ガスを排出しますが、風力は自然の力を利用するため環境負荷が非常に低くなります。このため、国や自治体、企業が環境対策の一環として風力発電を導入する例も増えています。特にパリ協定などの国際的な取り組みにおいては、温室効果ガス削減目標達成のために再生可能エネルギーの割合を高めることが求められており、風力発電の役割は今後ますます重要になっていきます。

再生可能エネルギーで枯渇しない

風力発電は、太陽光や水力と同様に「再生可能エネルギー」に分類されるため、地球上で永久的に利用できる持続可能な電力供給手段です。風は太陽によって大気が温められ、気圧差が生じることで発生する自然現象であり、枯渇する心配がありません。このため、石油や石炭といった有限の資源に頼らずとも、継続的に電力を供給することが可能です。将来的に化石燃料の価格が高騰したり、資源の取り合いが起こった場合でも、風力発電のような再生可能エネルギーがあれば、エネルギー安定供給の確保にもつながります。また、持続可能な社会を目指すうえでも、再生可能エネルギーの普及は欠かせない要素です。

燃料コストが不要

風力発電の大きな特長は、燃料が不要であることです。風そのものが発電の動力源となるため、火力発電のように燃料の購入や輸送といったコストが発生しません。一度風力発電設備を設置してしまえば、その後は風が吹くだけで電力を得ることができ、長期的には非常に経済的です。もちろん、メンテナンスや運営にはある程度のコストがかかりますが、燃料費が発生しないという点は、国際情勢によってエネルギー価格が変動しやすい現代において、大きなメリットと言えます。特に、化石燃料の価格が不安定な時期には、安定した電力コストを実現できる点で風力発電の導入が進む理由の一つとなっています。

発電所の運転コストが比較的低い

風力発電は、初期投資こそ高額になる場合がありますが、運転開始後のランニングコストは比較的低く抑えられます。風車は自動的に風を受けて回転し、発電を行う仕組みのため、常時多くの人手を必要としません。また、機械自体の耐久性も年々向上しており、定期点検や部品交換を行う程度で長期間の稼働が可能です。このため、一度建設すれば、安定して低コストで電力を供給することができ、特に長期的な視点では経済性が高いエネルギー源と評価されています。加えて、自動制御や遠隔監視の技術も進歩しており、人件費や管理費をさらに削減できる体制が整いつつあります。

土地の有効活用ができる

風力発電の風車は、設置面積に対して高くそびえる構造をしているため、下部の空間を他の用途と併用できます。例えば、風車の下の土地を農地や牧草地として利用することが可能で、農業や酪農とエネルギー生産を同時に行う「農地兼用型」の活用例が増えています。このように、限られた土地を有効に使える点は、土地資源の少ない地域にとっても非常に有利です。また、風車の設置によって土地の利用価値が高まり、遊休地や山間部、海岸沿いなどの活用も進められます。特に大規模農場などでは、営農を続けながら発電による収益も得られるため、経済的なメリットも生まれます。

地域経済の活性化につながる

風力発電設備の建設や運用には、地元の土木建設業者やメンテナンス企業が関わることが多く、地域経済の活性化に寄与します。特に地方や過疎地では、新たな雇用を創出したり、地域に関連企業を誘致したりといった効果が期待されます。また、自治体や地域住民が出資する「地域主導型風力発電」も広がっており、発電によって得られた利益を地域振興に還元する事例もあります。さらに、固定資産税などの税収も増えることから、地方自治体の財政基盤強化にも貢献します。単なるエネルギー供給源にとどまらず、地域づくりの核としての役割も果たしつつあります。

発電までの期間が比較的短い

風力発電は、火力や原子力発電に比べて設置から稼働までの期間が短く済む点がメリットです。火力発電所では、建設や許認可、調達などに数年かかることがありますが、風力発電では小規模なものであれば1年以内、大規模でも数年で運用開始が可能です。また、技術が標準化されているため、建設プロセスも比較的スムーズで、部品の製造や輸送、組み立ても効率的に行われています。これは特に、電力不足が懸念される災害後や緊急時に、迅速に対応できるという点で有利です。導入までのスピードが早いことは、政策の転換や市場の変化にも柔軟に対応できるという強みでもあります。

輸入エネルギーへの依存を減らせる

日本のようにエネルギー資源に乏しい国では、石油や天然ガスを多く輸入しており、エネルギーの自給率が低いのが現状です。風力発電をはじめとする再生可能エネルギーを導入することで、海外の資源に頼る必要がなくなり、エネルギー安全保障の観点からも大きなメリットがあります。特に、国際的な紛争や燃料価格の高騰が起こると、エネルギーコスト全体が上昇して家計や企業経営に悪影響を及ぼしますが、風力発電が普及すればそのリスクを回避することができます。また、エネルギーの地産地消が進むことで、電力供給の安定性も向上し、災害時などに強いエネルギーインフラの構築にもつながります。

技術の進歩により発電効率が向上している

風力発電の技術は近年めざましい進化を遂げており、ブレード(羽根)の設計や発電効率の向上によって、より少ない風でも効果的に発電できるようになってきました。また、風向や風速を自動的に検知して最適な角度で風を受けられる「可変ピッチ制御」や、発電量の予測精度向上による電力需給の最適化など、システム全体の性能も大きく向上しています。これにより、以前は発電に不向きとされていた地域でも導入が検討されるようになり、設置可能エリアが広がっています。技術革新は今後も続くと見られ、発電量の増加やコスト削減などさらなる利点が期待されています。

洋上風力により設置可能場所が増加

陸上の風力発電では、騒音や景観、土地の確保といった課題がありますが、洋上風力発電はそれらの制約を大きく回避できます。特に日本のように国土が狭い国では、海上に風車を設置することで、広大な設置スペースを確保でき、かつ風も強く安定しているため発電効率が高いのが特徴です。また、洋上風力は陸上よりも大型化しやすく、大出力の電力を生み出すことが可能です。最近では、浮体式と呼ばれる海底に固定しないタイプも開発されており、水深の深い海域でも設置が進められています。こうした新たな技術と組み合わせることで、将来的には主要な電源の一つとしての地位を確立する可能性があります。

風力発電のデメリット

上の表に出てきた各デメリットについてかんたんに解説します。

風が吹かなければ発電できない

風力発電はその名の通り「風」が動力源であるため、風が吹かない時間帯や季節には発電ができません。これは「出力の不安定さ」として大きな課題です。風速が発電に適さないときには、風車が停止したままとなり、電力供給量が大きく減少します。特に無風状態が長期間続く場合、風力発電への依存度が高い地域では電力不足に陥るリスクがあります。このような特性から、風力発電単体では安定供給が難しく、他の発電方式と組み合わせる「分散型電源」としての利用が主流です。再生可能エネルギーを主電源にするためには、蓄電池やスマートグリッドといった補完技術の発展が不可欠となります。

発電量が天候に左右されやすい

風力発電は風速や風向きといった自然条件に大きく影響を受けるため、年間を通じて一定の出力を維持することが難しいという問題があります。例えば、季節によって風の強さや吹く時間帯が異なったり、突風や乱流が発生したりすることで、発電量が安定しません。この不安定さは、電力需給バランスを保つ電力会社にとって調整が困難で、特に電力需要が高まる時間帯に風が弱いといった事態は電力網全体の信頼性を下げる要因となります。こうした背景から、風力発電を導入する際には、予測技術の高度化やバッファ機能を持つ蓄電システムの併設が求められます。

景観を損なうという声がある

風力発電は高くて目立つ構造の風車を多数設置する必要があるため、地域によっては「景観を損ねる」との批判を受けることがあります。特に観光地や自然豊かな場所では、訪れる人のイメージを損なったり、住民の生活環境に変化を与えたりすることが問題視されています。風車が林立する光景は、人工的で無機質に見えることもあり、自然との調和が難しいと感じる人もいます。地域住民との合意形成が不十分なまま設置が進められた結果、反対運動が起こった例もあるため、事前の説明会や景観への配慮、代替案の提示など、慎重なプロセスが求められます。

騒音や低周波音の問題

風車の回転によって発生する「騒音」や「低周波音」は、周辺住民の生活環境に影響を及ぼすことがあります。騒音は風車のブレードが風を切る音や、ギアボックスなどの機械音が原因となり、風の強さや風車のサイズによってはかなり大きな音となる場合もあります。また、低周波音は人の耳には聞こえにくいものの、頭痛や睡眠障害、不快感などを引き起こすとされ、一部の研究では健康リスクの可能性も指摘されています。このため、風車の設置には住居との距離に関する基準や、騒音レベルの測定・管理が義務づけられることがあり、トラブルを回避するためには入念な立地計画と周辺住民との合意形成が不可欠です。

野鳥やコウモリの衝突が懸念される

風車の回転するブレードに、野鳥やコウモリが衝突して死亡する事故が各地で報告されています。これは「バードストライク」と呼ばれ、生態系に悪影響を与える恐れがあるため、自然保護団体や研究者から懸念の声が上がっています。特に渡り鳥の通り道に風力発電所が建設された場合、その被害は深刻になる可能性があります。また、コウモリにとっても風車は致命的な障害物であり、音波を使った回避行動がうまく機能しないことも知られています。このような問題に対応するためには、鳥の飛来ルートの事前調査や、ブレードの色を工夫するなどの対策が進められていますが、完全な解決には至っていません。

建設コストが高い場合がある

風力発電設備の建設には、高さ100メートル以上のタワーや大型ブレード、発電装置などの設置が必要となり、初期投資が高額になることが多いです。特に山間部や離島、洋上など、アクセスが困難な地域に設置する場合は、資材の輸送費や建設作業の難易度が上がることで、コストがさらに増大します。加えて、基礎工事や送電インフラの整備にも相応の費用がかかり、規模によっては数十億円単位の投資が必要です。このため、初期段階では経済的な負担が大きく、採算性の確保には長期的な視点や政府の補助金制度などの支援が不可欠となります。

送電インフラが必要になる

風力発電の適地は、風が強く安定している場所に限られますが、そうした場所は往々にして都市部から離れており、電力需要の高い地域との間に距離があることが多いです。そのため、発電した電気を効率的に送るためには、新たに送電線や変電設備を整備する必要があります。この送電インフラの構築にも多額の費用がかかり、地形や地権者との交渉によっては時間もかかります。また、電力ロスを抑えるための技術的対策も求められます。さらに、送電容量に限界がある地域では、せっかく発電しても電力を十分に送り出せないという「出力制御」の問題が発生することもあります。

台風や雷など自然災害への耐性が課題

日本のような自然災害の多い地域では、風力発電設備が強風、台風、落雷といったリスクにさらされる可能性があります。風車は高さがあり、広範囲に風を受けるため、構造的に風圧の影響を受けやすく、台風の直撃を受けるとブレードの破損やタワーの倒壊など深刻な被害が生じることもあります。また、落雷によって制御装置が故障したり、ブレードが焼損するリスクも存在します。こうした被害は発電停止や修理コストの増加を引き起こし、経済的損失につながるため、風力発電を導入する際には、構造強化や避雷対策などの災害対策が必要不可欠です。

立地選定に時間がかかる

風力発電を導入するためには、風況や地形の調査だけでなく、周辺住民との協議、環境影響評価(アセスメント)など、多くのプロセスを経る必要があります。特に、騒音や景観への懸念がある場合、住民の合意形成には長い時間がかかることがあり、建設開始まで数年を要することも珍しくありません。また、環境アセスメントでは、野生動物への影響や森林破壊の懸念が指摘されることもあり、認可が下りないケースもあります。これにより、計画自体が中止になったり、大幅に遅延することもあります。円滑に事業を進めるには、丁寧な事前調査と地域との信頼関係構築が欠かせません。

資源回収や廃棄の課題

風力発電設備は長寿命ですが、ブレードなどの一部部材は20~30年ほどで劣化し、更新や廃棄が必要になります。特に問題となっているのが、ブレードに使用されるFRP(繊維強化プラスチック)素材の処分です。FRPは軽量で丈夫な一方で、分解や再利用が難しく、埋立処分されるケースが多いです。これにより、環境に負担をかける可能性があるほか、将来的に大量の廃棄ブレードが出る「風車ゴミ問題」が懸念されています。リサイクル技術の開発や、リユース可能な素材への切り替えが進められているものの、現段階ではコストや技術的な課題が残っており、持続可能な運用のための課題となっています。

みんなの意見

賛成意見 反対意見
風力発電のいい点は、地球に優しいクリーンな発電方法だというところです。火力発電など化石燃料を使用する発電方法では、二酸化炭素など地球温暖化に影響のある温室効果ガスの発生が起こります。

しかし風力発電は自然エネルギーを使った発電方法なので、そのような地球への悪影響がありません。

また風力発電は安全な発電方法です。原子力発電など危険が伴う発電方法と比較すると、風力を使った発電は安全で安心な発電方法だと思います。
風力発電の良くない点は、景観を破壊する危険性があるところです。発電のためとはいえ、強大な建造物である風力発電機を美しい風景の中に設置することは、その美しい景観を損ねる原因になってしまうでしょう。

つまり観光業への影響があるということです。

また、騒音被害があることも、風力発電の問題だと思います。風力発電機は24時間ずっと稼働しています。

そのため風力発電の近くに住んでいる方は、24時間ずっとモーター音・風切音に悩まされます。夜眠れないなど、健康被害を与える可能性があるのです。
私は風力発電は現代の電力事情において重要な役割を持っていると思います。

なぜなら、これまでは原子力発電によって低コストで発電できると謳って安全性も強調してきました。ですが、実際は安全どころか重大な事故を起こし、環境への影響も計り知れないものとなっています。

そういう問題をクリアにするクリーンエネルギーの一角を担うのが風量発電だと思います。これからはますますクリーンエネルギーへの関心は高まっていく可能性があるのでより重要性が増していくと思います。
私は風力発電には欠点がかなりあると思います。確かにエコなどクリーンエネルギーへの関心は高まっていると思います。ですが風力発電に日本中のエネルギーを確保する能力はありませんし、何より電力を作るにも不安定すぎます。

結局は風の力に頼るわけですから、風が吹いていないときは全く電力を作る事ができません。これでは安定的な電気供給など到底不可能です。ですので、風力発電によって日本の電力事情が劇的に良くなる事はありえません。
私が風力発電でが良いと思っているのは、やはりエコロジーなエネルギーであるということです。ものを燃焼させてエネルギーを消費させるわけでなくそこに環境的なロスなどが少ないことがより多くの設置を私が望む理由です。

また私の美意識に因るところが大きいと思いますが風力発電はあの風車の形が周りの景観を損ねる場合が少ないと考えています。エネルギー問題が多く取り上げられている現代で、私は風力発電に肯定的な意見を持っています。
私が、風力発電に対して反対である理由は、やはり発電量が安定しないことにあります。天候に影響を受けすぎることがその理由に挙げられます。

確かにエコロジーではありますが、大量のエネルギーを必要とし、かつ消費する現代において安定しないということは様々な面での成長を阻害することを意味していると思います。

その為、風力発電がいくら環境に配慮しているとはいえ、エネルギーの供給が間に合わないのであれば意味がないと思っているため私は風力発電に対してその問題が改善されない限りあまり良くない印象を持っています。
風という自然現象を利用するため、二酸化炭素の排出や使用済み燃料の処理などの問題もなく、環境に悪い影響をもたらさない点がよい所だと思います。

安全な発電方法であるとも言われているため、原子力発電所のように一旦事故が起きると自治体ぐるみで避難をしなければならないというような事態もあまり考えられません。

風が吹く所であれば比較的どこにでも設置が見込めるところもよい所だと思います。発電方法の中では比較的コストが安いのも積極的に推進したい理由です。
発電の際に低周波音を発するため、発電施設から離れていない所に住んでいる方にとっては騒音の被害を受ける可能性があるのが心配な点です。

また風は自然現象であるためいつも一定の風速で吹いているとは限らず、弱風で発電量が少なすぎたり、逆に強風で余計な発電をしてしまったりする恐れがある点は良くない所だと思います。

風をまともに受ける構造であり、台風のような暴風の場合は負荷がかかりすぎて設備自体が損傷する危険があるため、天候の変化の激しい所で設置をすることには反対です。
風力発電が良いと思うのは、何より風車が動くだけの風さえ吹けば、昼だろうが夜だろうが、定期的に電力を提供し続けてくれることです。立地条件さえよければ、安定して電力を供給できる発電システムであると思います。

また、風さえ吹く場所であれば、従来開発などには向かない僻地や飛び地でも設置が可能であり、これまで使い道がなくて困っていた土地の有効利用が、発電事業というものを通してできるようになるなど、限られた国土の日本においては有効な発電だと思います。
風力発電が悪いと思うのは、まず挙げられるのは騒音です。巨大な風車からの空を切る音は、耳障りであり、人口密集地にはまず建てられません。

そして次は生態系への影響です。特に渡り鳥の飛行コースに風力発電所があると、風車に渡り鳥が接触する事故が絶えません。

そして次の問題は、風車自体のメンテナンスです。台風や雨ざらしなどで、風車は経年劣化します。特に海岸線にある風力発電所の場合は、塩害のリスクもありますから、劣化は更に早まるでしょう。

こうした経年劣化に対しては、メンテナンスが欠かせないと思われますが、メンテナンスの間は、風車を止めねばならず、結果発電ができません。

メンテナンスの効率を考えれば、風力発電は効率の悪いものであり、良いものとは思えません。